洒落怖

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415 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/05(月) 05:19:35.98 ID:/wAOniuu0.net
叔母は随分軽く言ってくれるがこちとら洒落にならない。
笑い事じゃないと憤ると今から寺に行ってお祓いして来いとの事だったので、
叔母の作ってくれた朝食を喉に流し込み従兄弟と2人でその件の寺に訪れた。
その寺には俺達の祖父の墓もあったので墓参りがてら住職に話をしてみたんだな。
そしたら開口1番こう言うわけ。
住職「これはまた悪い奴に捕まったなぁ。このままやと持ってかれるでぇ。」
俺「え?何持ってかれますの?命的なもんですか?」
住職「いや、腕や腕。見たまんまやな。ネガに写ってる白い手。これお兄さんの腕欲しい言うてますわ。」
俺「何とかなりませんか?お祓いとかお願いしたいんですけど…」
住職「なんとかして挙げたいんですけどこの時期はウチでは祓えませんのやわ。
逆に迎え入れなあかんもんですから。
とはいえこのままではお兄さんが危ないな。ちょっとそこでまっててな。」

416 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/05(月) 05:20:57.97 ID:/wAOniuu0.net
俺は身体中の汗が冷たくなってくのを感じてたね。
だって目の前の坊さんがなんの迷いもなく俺の腕持っていかれるとか言うんだもの。
こういうのって当事者になるとなんの根拠が無くても死ぬ程震えあがるモンだと痛感したよ。
んで坊さんが帰ってきたんだけどどっかに電話してたみたいでさ。
住職「兄さん今日暇?話つけといたさかい時間あるなら話聞いて貰い。お祓いしてくれるかどうかはそれからやと思うけど。」
俺「暇です!今すぐ行きます!何処に行けばええんですか?」
住職「○っさんやで。場所わかるやろ?」○っさんとは○○神社の略称であり俺達の通う高校の目と鼻の先にある馴染みある場所だ。
かつては織田信長の焼き討ちにより灰燼と帰せられたが秀吉によって熱心に復興されたとかなんとか。
鬼門除け、災難除けで有名な由緒ある神社だと住職から伺った。

417 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/05(月) 05:23:13.73 ID:/wAOniuu0.net
俺は従兄弟のチャリの後ろに乗った。
従兄弟は夏のクソ暑い中一睡もして居ないのに立ち漕ぎで急な上り坂をグングン飛ばし神社に向かってくれた。
境内に入り色んな人に事の顛末を話し、住職から連絡を受けた方と落ち合う事ができた。
その方に写真とネガを見せた後、帰ってきた言葉はなんとも残酷なものだったね。
この方はAさんとしようか。
A「お祓いはさせて頂きます。しかしこれはチョイとばかりタチが悪い。さらにこの土地のこの時期。
そして水辺が近しい位置関係。タイミングが悪い。」
俺はAさんの弱気な発言にかなり戸惑ったね。
俺「つまりどういう事でしょう?一応お祓いはしてみるけど的な?」
A「そうですね。祓える事は極めて難しいでしょう。ニュアンスとしては抑え込むって事になるかな?
極論いうと何らかの厄災は避けられない。けど事象を最小限に抑える施しは出来るかと。」
俺「そこをなんとかなりませんか?」
普段から俺は無宗派、無信仰だと公言していたがこの時は何かに縋りたい一心だったね。
しかしAさんの口からは俺の求める救いの言葉はでてこないんだな。
A「この土地を離れるのが1番でしょう。しかし貴方まだ学生さんでしょう?ならば卒業まで極力湖に近づかない事。
高校出たら県外に出る事をお勧めします。この白い手は湖から来てますので。」

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