子どものころの怖い話
カエル

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もうその後はどうしてたか覚えてない。「幽霊や妖怪は恐怖心に寄ってくる」って言うけど、
蛇のバジリスクに恐怖して、カエルの霊が近づいてくるなんて、意味がわからなかった。
俺は蛇を怖がってるのに、なんでそれに誘われて同じように蛇を恐れるはずのカエルが近づいてくるのか。
もうそろそろ精神的におかしくなりそうだったから、俺は近くの神社に行った。田舎だから、神社なんてその辺にいくらでもあった。

915 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/04/12(土) 05:09:33.90 ID:pC9sW3W30.net
で、神社の神主さんに事の経緯話した、俺的にはカエルを踏みつぶしたのが一番怖かったんだけど「夜にカエルを踏みつぶしたのは正解だった」
とか言われて「は?」って思わず口にした。なんでもカエルは、蛇に恐怖する俺を「仲間だと思って」近づいたらしい。
人の恐怖心ってのは、まぁ厨二っぽく言えば、どんな物よりも大きな「霊的エネルギー」を持つらしい。それを本能でしか動いてない
爬虫類は敏感に察知するらしい。で、それを察知したカエルが、「俺の所に向かっていた」とか言って俺はまたゾッとした。
ビデオで秘密の部屋見たときは、すぐに忘れたからカエルも察知できなくなったけど、今度は結果的に外に飛び出た俺から近づいてきたから、
ああいう感じに遭遇したんだと。あの時聞こえた鳴き声は、いわゆる共鳴、厨二的に言えばテレパシーでカエルの鳴き声が
就寝前で本能的にしか動いてない俺の脳に響いたらしい。でも、俺がその時踏みつぶしたから、カエルは俺を蛇みたいな天敵として判断して
もう仲間として迎えに来ることはないらしい。

916 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/04/12(土) 05:14:39.12 ID:pC9sW3W30.net
で、いちおう供養もしてもらって、俺は一安心して帰ろうとした。不思議なことにバジリスクのこと考えても
何の恐怖も感じなくなったし、「俺もしかしてカエルになりかけてた?」とかそんな馬鹿げた妄想も考えながら、笑い話として話せそうなくらい気楽に考えれるようになった。
でも、俺がカエルを潰すことで解決したんなら、その夜に聞こえてきた、脳に響くような蛙の声は何だったのか?
そのことを神主さんに話そうかなんて思った矢先、また聞こえてきた。鳴き声が。しかも「グェ~イッ、ゲロゲロッ」とか、なんか笑ってるような
感じの鳴き声だった。その方向を見ると。茂みの中に、一匹のウシガエルが居た。そしてそのウシガエルは、喉を鳴らしながらにた~っと、
まるで器具かなんかで無理やり口を広げたみたいに笑って、茂みの奥に消えていった。その瞬間、神主さんが「あれは人やなぁ・・・」とかつぶやいた

917 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/04/12(土) 05:17:05.72 ID:pC9sW3W30.net
聞くと、見た目はカエルでも、感じる物は人に近いものだったらしい。神主さんは、「おそらく、仲間をつくろうとしとるんやなぁ。経緯はわからんが、
あいつは人からカエルになって、道端のカエルを人が犬を飼うみたいに操って、今回のお前みたいなのを同じようにカエルに変えようとしとるんやな」
と言っていた。多分、あいつが2度めの夜、最後の攻撃みたいな感じで、俺に鳴き声を送ってきたんだと思う。頭に直接カエルの声を送る、強制手段みたいな感じだろう。
でも俺はその翌日すぐにこうやって神社に来てお祓いしてもらったから、助かった。あの無理やりこじ開けたような笑顔は「運が良かったな」とでも言いたかったのか・・・。
多分、あいつは今でもどこかで仲間を作ろうとしてるんだと思う。カエルと同じように蛇に恐怖を抱いた人間を探して、またどこかの耳元で、
「ゲコ」って鳴いてるかもしれない・・・。

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