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永田さんはそんなこと言ったって、とかこいつ関係ない、とか言ってたけど、
関原さんがじっと黙っているので静かになった。
永田さんの足元には何匹か子ウサギがいた。
瞬きするたびにあちこち移動しているので、幽霊みたいなものだとわかった。
丸まっててかわいかったけど、何となく戸惑ってるようだった。寝てるところを起されたような。
527 本当にあった怖い名無し sage 2008/10/19(日) 18:07:46 ID:lvh/6+LE0
自分「こっくりさんで使ったん?」
永田「うるさいわ! あんたには関係ないっ!」
関原「うん。こっくりさん、紙に鳥居さん描くやろ? あそこに骨置いてやってん」
自分「ふうん。うまくいったん?」
関原「きてくれたけど、帰ってくれへんかった。おかえりくださいって言ったけど、いいえって」
自分「どうやって終ったん?」
関原「そのまま。いいえってなってたけど、みかちゃんピアノがあるって言って、(十円玉から)指はなしちゃった」
みかちゃんとはその日様子がおかしくなった子のことだ。
自分「永田さん、なんでそんなことしたん?」
永田「あたしのせいなん?!」
自分「なにが」
永田「みかちゃんおかしくなったん! せっちゃんはあたしがもってきた骨が悪いって!」
自分「そうなん?」
関原「なんか、みかちゃん、ウサギに見えたから……」
永田「意味わからへんっ!」
自分「ああ……あれ関原さんにも見えてたんや。濃い灰色の」
関原「うん、それ。ほかにも見た人いたで。うち一人やったら、見間違いかなって思うけど……」
永田さん涙目。
528 本当にあった怖い名無し sage 2008/10/19(日) 18:08:43 ID:lvh/6+LE0
関原「どうしたらいいんかな」
自分「とりあえず骨返してもらえへん? なんかかわいそうやし」
関原「うん。なっちゃん」
永田さんは半泣きでランドセルからスーパーのビニール袋を出した。
ウサギのものらしき頭蓋骨が入っていた。
自分「たぶん、板の下を掘ったからこんなきれいな骨なんやろうけど(板の下のが一番古かった)、
新しいお墓掘ってたら虫とかいっぱい出てきたと思うで。もうやめときや」
関原「虫出て来ぃひんくても、お墓は掘ったらあかんやろ」
自分「それはそうやけど」
そうでも言わないと永田さん言うこと聞きそうになかったし。
ともかく、骨を受け取り、もどして土をかぶせた。
関原「○○(自分)さん、ごめんな」
永田「ごめんなさい」
自分「うちは別に……。ウサギに謝った方がいいんちゃうかな」
三人で手を合わせた。永田さんは泣いていた。
自分がたちあがると、二人ともそれにならった。関原さんは不安そうな顔をしていた。
関原「みかちゃん、大丈夫かな」
自分「大丈夫やといいなあ」
関原「ウサギ、こんで帰ってくれるかな。お線香とかあげたほうがいい?」
自分「したいならやったほうがいいんちゃう?」
関原「なっちゃん家近いし、家からお線香とってきてくれへん?」
永田「分かった……」
自分「うち、花摘んでくるわ」
関原「じゃあうち、お水汲んでくる」