子どものころの怖い話
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ウサギの墓
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529 本当にあった怖い名無し sage 2008/10/19(日) 18:11:41 ID:lvh/6+LE0
永田さんは校門のほうへ、
関原さんは歯磨き用のコップを給食袋からとりだすと、校舎の方へ走っていった。
永田さんの周りにいた子ウサギは、何匹か彼女についていき、何匹かはいつの間にか消えていた。
自分は体育館裏に行き、ねじれ草や露草を集めた。
墓のところに戻ってくると、関原さんは水を備えていた。
自分「関原さん。あのな、永田さんの足元……」
関原「うん、あれでうち、あの骨がウサギのやったんやってわかってん。
なっちゃんは狐の骨、っていってたけど」
永田さんが子ウサギを連れて戻ってきた。本人につれている自覚はないみたいだったが。
関原さんは永田さんからライターと線香を受け取り、火をつけた。
振って火を消すと、煙が上がる。
関原さんは永田さんに淡々と説明した。
墓石がウサギを返す場所につながっている扉であること、
水は、それを霊にわかるように示し入りやすくしている役割であること、
線香の煙は霊を導くための道で、同時に自分たちを霊と分けてくれるものであること、
花は慰めのためのはなむけであること。
もっと簡単な表現だったが。
三人でもう一度手を合わせた。
目を開けると、子ウサギはいなくなっていた。そのときは。
翌日、みかちゃんは無事に登校してきた。ウサギも見えなかった。
それから関原さんとはなんとなく仲良くなった。
あのあともたまに永田さんのそばにウサギを見ることがあったのだが、
結局言わずじまいだった。