本当にあった事件
防空壕探索の代償

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俺がそう言うと、Aが少し怪訝な顔をしたまま俺の自転車の側にかがみこんで、あっという間にチェーンをはめてしまった。

俺「うわっ、スゲー!ありがと!!」
A「うん。それよりも、早く行こうぜ。ここ暑い。」

Aの一声で俺達はいつも使っている小さなけもの道から山に入った。
Bが言うには、目的の防空壕は山の中腹当たりにあるらしい。いつも山を駆けまわっていた俺達が見つけられなかったのだから、結構奥まった所にあるのだろうというのがBの見解だった。

813 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/07/13(水) 19:05:06.41 ID:S1kRq45M0
>>812の続き

俺「暑いね」
B「まぁな。でも、山の中は外と比べると涼しいよな」
C「日影だからね」
A「あちー」

山に入っておよそ30分。
学校での出来事やマンガの話をしているうちにBが大きな声を出した。

B「あっ、多分こっちだ!」

俺達の背丈と同じくらい伸びた草をかき分け、どこかで拾った木の枝で道を作って行くB。
俺は一番後ろで皆の後に続いた。
そしてしばらく歩いて行くと、Bが再び上機嫌に声を上げた。

B「あったーーーーー!!」
A「おぉ、本当にあったよ」
C「……うわー」

樹木の根もとに、その防空壕はひっそりと存在していた。
815 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/07/13(水) 19:09:51.52 ID:S1kRq45M0

夏だというのになぜかその周辺はひんやりとした空気が立ち込め、
俺は暑さとは別の嫌な汗を額にびっしょりかいていた。
正直俺には霊感なんかない。それでも、なんとなく嫌な感じがしたのだ。
割とマジに「帰ろうよ」と言うが、テンションの上がっているAとBは聞く耳を持たず、
不安そうにしているCも俺を一瞥しただけで、雑草の生い茂る防空壕の暗い穴をジッと見つめている。
そうこうしているうちに、Bがリュックサックから懐中電灯を取り出した。

B「よっし、それじゃあ入ってみようぜ!」
A「おう!」

勇ましく防空壕の中に入っていく二人、俺とCは顔を見合わせるとしぶしぶ二人に続いた。

防空壕の中は外とは比べ物にならない位寒かった。
壁はびっしりと苔に覆われ、湿った空気とカビ臭さが不気味な雰囲気を強めている。
地面も湿っているのか、濡れた岩がぬるぬると滑って何度かこけそうになった。
Bがふざけて顔を照らしたり、懐中電灯を消したりするものだから、俺達はその都度Bに文句を言う。
異変が起きたのは入口から十数メートルほど進み、少し広い空間に出た時だった。

817 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/07/13(水) 19:13:17.96 ID:S1kRq45M0

再びBがふざけて懐中電灯を消した瞬間、光源はBの持つ懐中電灯しかないのに壕の奥に淡い光が見えたのだ。
暗闇の中での光源ほど目立つ物はない。俺を含めてその場にいる全員がその光に気付き、そして誰ひとりとして声を上げるような奴はいなかった。
後から聞いた話では、Aは外への亀裂があるのかとぼんやり考えていたらしく、Bについてはビビって腰を抜かしていたらしい。
異変は続く。
初めは針の先程の光だった謎の光源は、チラチラと揺れるような動きを見せると、
徐々にその大きさを変えて行った。針の先から米粒のような大きさに、さらに天道虫、ピンポン玉、野球ボール、そしてその光が子犬位の大きさになった時、俺達は初めてやばい事になっていることに気付いた。

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  • 匿名 より:

    これが真実ならCも被害者

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