ホテル・旅館
甲府の旅館で

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顔はどんどん布団から這いずって出てくる。ズズズ ズズズという音は
入り口横の押入れから聞こえるが、窓から顔が立体的に出てくる。
それと同時に段々と顔だったものがはっきり見えだす。
今まで顔と思ってたが、顔で合ってるのかどうかを疑いたくなるような
奇怪なモノが窓から出てきた。それはグチャグチャな薄桃色の塊だった。
体はグチャグチャになっており、それを顔のような塊が引き摺っていた。
その際に出る音が ズズズ だった。
人の目の場所に垂れさがった目玉と口の位置に窪みがあるため
人の顔に見えてただけで、実際は布団から何が出てきてるのかわからない。

今まで発狂していた女性客達も、何が起きてるのかわからずただ呆然としている。
その瞬間
「そっちじゃねぇおぉ」と後ろから声が聞こえた。
それと同時に顔の様な塊は「ああああああああああああああああああああああああああああ」
と動物の鳴き声の様な叫び声を上げて凄い速さで這いずり回り
窓の外に向かってくねくねと動きながら這って行った

65 本当にあった怖い名無し sage 2008/01/08(火) 03:56:32 ID:BwpMeeNd0
本当に何が起こったのか、何だったのかは分からず仕舞い。
全員が何も声を発せれないし、理解しようにも理解できない状況。
時間がたち寒さを感じ始めてきてから男性客が、
「とりあえずロビーかフロントにでもいきませんか?」と全員に向かって言い
玄関前のロビーに向かい、他の従業員も駆けつけて暖房を入れてもらった。
毛布やら上に羽織る物やらを用意してもらい暖かいお茶を飲みながら朝まで無言で待った。
他の従業員達には女性従業員から話をするも信じられないと口にしていた。
さすがに大人6人が震えてるので信じるも何もないだろうが。

朝方になり女性客達は荷物を取ってきて欲しいと従業員に告げて
「なんでこんな目にあうのよ。なんなのこの旅館。」と文句を言い始めた。
男性客と俺と彼女は少し話をして、起こった事を整理しようとした。
「窓の外は墓地か神社でもあるんですか?」と彼女が従業員に聞くと
「外は崖になっていて、直ぐ下に川があるだけです。」と答えていた。

そこで風呂場で起こった事を従業員に話すと、風呂の外も川だけとの事だった。
結局何が起こったのかはさっぱりわからず。
外が明るくなってきたので、従業員が朝食を持ってきて、それを食べた。
女性客達は直ぐに帰りたいからと、タクシー呼び、取ってきてもらった荷物を持って
そのまま旅館を後にした。男性客と俺と彼女は部屋に戻り荷物を纏めようとしたが
やはり恐怖が残っており、他の従業員に着いてきてもらった。
そして荷物をまとめて車で駅まで送ってもらう事に。

66 本当にあった怖い名無し sage 2008/01/08(火) 03:58:09 ID:BwpMeeNd0
男性客は車で来てたようで、そこで挨拶を交わし別れた。

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甲府の旅館で