人形にまつわる話
日本人形

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「カサッ・・・カサッ・・・カサッ・・・カサッ
ねぇ・・・ドコ?・・・
カサッ・・・カサッ
ねぇ・・・ドコ?・・・ねぇ・・・ドコ??
カサッ・・・カサッ・・・カサッ・・・」

コウ「たのむぅ、こないでくれ!たのむから、見つからないでくれ!!」

A「・・・・・・・・」

「カサッ・・・カサッ
ねぇ・・・ドコ?」

その音は段々遠ざかり、お風呂の前ぐらいまで行っただろうか?

「カサッ・・・
ねぇ・・・ドコ??ねぇ・・・ココ??ココ???
キィィィ・・・カチャッ・・・
ちがう・・・
カサッ、カサッ、カサッ、
ねぇ・・・どこ?・・・ねぇ・・・どこ??」

今度はその音がコウたちの居る部屋の方に向かって歩き出した。

「カサッ・・・カサッ・・・
ねぇ・・・どこ???
カサッ・・・カサッ・・・
ねぇ・・・どこ?」

迫り来る恐怖にコウとAさんはただ黙って心の中で、、

『頼む!来ないでくれ。たのむから・・・』

と、念じながら身を震わせているだけ。

「ねぇ・・・どこ??
カサッ・・・カサッ・・・カサッ・・・カサッ・・・カサッ・・・カサッ・・・
ねぇ・・・どこ?・・・ねぇ・・・ど・・・こ?」

その音はとうとうコウたちの居る部屋の前まで来た。

「ねぇ・・・ココ??ねぇ・・・ココ?」

その恐怖に耐えかねたコウは、大声で

「違う!!ココじゃない!入ってくるな!!!!」

「ココ?ココだね・・・
カサッ・・・シャー・・・」

襖を開く音と共に、人形の歩く音はどんどんこっちに近づいてくる。
しかし、辺りは真っ暗。
コウたちの目には何も見えないが確実にその音は近づいてきた。

「ねぇ、ドコ??ねぇ・・・
カサッ・・・カサッカサッ・・・カサッ・・・カサッ・・・カサッ・・・」

そして、コウたちの目の前で音が止まると同時に

「みぃ~~つけた・・・
ドサッ・・・」

いきなり日本人形がコウたちの目の前に降ってきたのだ。

コウ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

A「・・・」

コウ「おい!逃げるぞ!!!」

コウは腰が抜け呆然としているAさんを抱きかかえ、その日本人形を回り込み、出口へとダッシュ!
ドアを開け、廊下へ出たコウとAさん。
すると、さっきまでの恐怖は嘘のように廊下には明かりが灯り、落ち着いた雰囲気だ。
取りあえず近くにあった自動販売機でジュースを買い、落ち着く二人。
しかし部屋へ戻ればさっきのような目に逢う。
かといって、もう一つの部屋に戻っても寝るスペースは無いし、他の人を起こしてしまう。
仕方なく二人は、廊下で話をしながら朝がくるのを待った。

昨日と同じようにコウ一行は観光巡り。
しかし、コウとAさんは、昨日寝ていないため、車の中で爆睡。
そしてまた宿に戻る。
流石に昨日のような目には遭いたくないコウとAさん。
しかし昨日逢った出来事を話すとみんな引いてしまうだろうと、コウはそれとなく、部屋を移らせてくれるように他の部屋の4人に相談したところ、OKが出た。
そんでまた、昨日のように飯喰って風呂入ってトランプゲームなどを楽しみ、就寝。

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