宗教
住職の話

この怖い話は約 3 分で読めます。

692 本当にあった怖い名無し sage 2012/09/02(日) 17:35:56.58 ID:FZTpamSJ0
それからここらではよほどの大家でなければ遺体を寺に安置して通夜を行うんだが
(ただし交通事故などで損傷した場合は先に火葬してしまう)
この地方独特の風習として北枕にした遺体の枕元に小さい黒い屏風を立てる
遺体は魂が抜け出した空の状態にあるので
そこをねらって悪い気が入り込んでくることがごくたまにある

それを防ぐための黒屏風で風などで倒れないようにしっかりした台座がついている
一度だけ強い風で屏風が倒れたのに小一時間ばかり気づかないことがあって
そのときは白布の下で閉じられていたはずの遺体の目がかっと見開かれていたそうだ
それに気づいたのがもう僧籍に入って修行していた友人で
長い時間特別なお経を唱えるとひとりでに目が閉じて
悪い気が抜けていくのがわかったという

友人に悪い霊が憑いた人を祓ったことがあるかどうかを聞くと
そういうことはないといってた
もしそういう人が尋ねてきたとしても、気を感じることはできるかもしれないが
どこの誰の霊が憑いているかなんて絶対わからない
自分よりずっとずっと上の能力がある人ならわかるのかもしれないといってた
こういう力というのは修行で身につくものではなく、ほとんど生まれつき決まるんだそうだ
実際に子どもの頃と比べれば今は力はずっと落ちてきてるらしい

693 本当にあった怖い名無し sage 2012/09/02(日) 17:37:53.25 ID:FZTpamSJ0
そういう相談を受けた場合は、宗教関係ではなく医療機関を受診するように勧めているそうだ
なぜなら道行く人を見ても、多かれ少なかれ何かの気が取り憑いていて
それらにいちいちお経を唱えてもきりがないし
変な例えだが寄生虫が体内にいると肥満にならず健康な場合もあるように
何かが憑いていても悪いことばかり起きるわけではないと笑ってた

それから心霊写真は大部分がただの紙だから気にすることはないといってた
もちろん気になる人が持ってくれば寺で預かってもいいが
そもそも見間違いのような場合がほとんどだそうだ
ただし古道具、骨董類は人間よりずっと長くこの世に存在してるものが多いので
何らかの気が凝ってることもあるらしい
ただ特別に儀式をするまでもなく、しばらく本堂に置いておくと気は抜ける
漂白剤に浸けるようなもんだね、といってた
 
まとまらない怖くもない長文でスマンかった
これらは全部俺が酒の席で友人から直接聞いた話だが
もしかしたら違う宗派や宗教の人には別のように見えるのかもしれないともいってた
色眼鏡をかけるとレンズの色にものが染まって見えるように
その地域の習慣や宗派の教えに影響されるということのようだ

この怖い話にコメントする

住職の話