田舎・地方の習慣
村の秘密

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俺がそう言うと、ババアは急に怒鳴り出した。

「知らない!そんなの聞いたことない!」
「はぁ?なんだよ急に。なんで怒ってんだよ」
「いいから帰れ!」

とこんな風に急にテンションMAXで怒り出したのだ。
こりゃ手がつけられんと思った俺は渋々村に戻った。

551 3/5 sage 2011/11/28(月) 20:38:46.98 ID:g14n3bOJ0
チッ、なんだってんだよ・・・・と家に戻ろうとしたら、ブッチャーの祖父が草刈りをしていた。
ちょうどいいや思った俺は爺さんにも聞いてみた。
そうしたら、なんとそれらしいのを知っていると言うのだ。
でかしたブッチャー爺さん!
場所を聞いた俺はさっそくそこへ向かった。

道中長かったので省略するが、こんなの教えられなきゃ絶対わかんねぇよ!ってところにあった。
日の光の入らない深い森の中の草を掻き分けながらしばらく進むと、足裏の感触が変わった。
土の柔らかい感触から、ゴツゴツと固い感触。
足元を確認すると階段のように石が積まれていた。
その苔むした石段を登った先に、それはあった。

説明が下手なんでうまく伝えられないけど、神社の境内みたいな感じでそこだけ
綺麗に整備されてんのね。
めっちゃ山奥の、しかも獣道を進んだ先にそれだから相当ビビった。
そしてその中央には道祖神を祀ってるような小さな祠ってあるじゃん?
そんな感じのが設置されてて、周りを同じ大きさの石碑で囲んでた。
石碑は六個くらいあったと思う。
祠は人の背丈くらいありそうな感じの大きさなんだけど、遠目から見てもボロボロで
朽ち果てそうなくらい古いのが分かった。

552 4/5 sage 2011/11/28(月) 20:39:46.07 ID:g14n3bOJ0
ここはヤバイ。

そう思った俺は踵を返して逃げた。
石段を全速力で駆け下りたせいで何度か転んだが、そんなことを気にする余裕が無かった。
あの祠の中からこちらを覗く顔と目が合ったからだ。
後ろから人の息遣いが聞こえる。
瞬きをすると、自分の後ろ姿が見えた。
何度も草木に足をとられたが、俺は全速力で走った。
半狂乱になり目からは涙がボロボロこぼれ落ちていたと思う。
目をつむる度に自分の姿が近付いてくる。
追いつかれる。
首筋に生温かい息を感じた。
もう目をつむっても、自分の姿は見えなかった。

気が付くと俺は家に居た。
今見たのを必死で記憶から消去しようと、布団の中でガタガタ震えていた。
俺はどうなってしまうのだろう。
洒落コワの話みたいに死んでしまうのか?やだ恐い!
と絶望を感じていたが、それから何事も無く今も普通に生きている。

553 5/5 sage 2011/11/28(月) 20:40:27.74 ID:g14n3bOJ0
この出来事を体験するまで洒落コワの地方伝説的な話(コトリバコとか姦姦陀螺とか)を
「ねーよwwww」と笑っていたけど、もう笑えない。
あそこはどう見ても人の手で整備されていた。
なぜブッチャーの祖父は俺にあそこの存在を教えたんだろう。
聞きたくても去年の夏に死んでしまった。
あとブッチャー祖父に限らず、やたら村で自殺者が多いのは関係あるんだろうか。
村の人間は今まであそこの存在を隠していたのか、それとも知らなかったのか。
今となっては知る由もない。
知りたくもない。

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