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549 1/5 sage 2011/11/28(月) 20:36:30.71 ID:g14n3bOJ0
俺の実家は超田舎だ。
わずか十世帯ほどしかない小さな村で、いわゆる限界集落と呼ばれるような場所。
オカルト板の連中がもし訪れたら絶対よからぬ妄想をすると思う。
けど実際は普通にインフラ設備もされてるし、住人も普通の年寄りばっかりだ。
よく都会の人は「田舎は人間関係がおかしい」と言うけど、別におかしいところなんてない。
ただ一つだけ気がかりなのが、年寄りが全員創価学会だ。
もちろん俺は違うし親世代も違う。
俺が一度祖母の真似で「南無妙法連華経~」と言ったらものすごい剣幕で母親から叱られた。
小さい頃は創価なんて知らなかったけど、なんとなく他の家と違うのは薄々感じていた。
(仏壇に花が飾られてなかったり葬式でもお坊さんを呼ばなかったり)
でも別に年寄り連中にも特別な思想なんて無かった。
中学に上がった頃から、他の地域の奴らからヒソヒソ言われることが多くなった。
原因が創価なのは分かっていたので、同じ村の幼馴染(プロレスラーのブッチャー激似の男)とよく
「俺ら創価じゃねーし」と言っていた。
学校生活の後半はもう他の奴らと一緒に
「きのう公明党の奴ら来たから壁キックしてビビらせてやったわw」
「ちょっw」
とネタにしていた。
550 2/5 sage 2011/11/28(月) 20:37:39.44 ID:g14n3bOJ0
去年の春ころ、俺は市内にある大型古本屋に出かけた。
漫画だけじゃなくて色んな本があるんだなーとブラブラしていると、一冊の本が目に入った。
手の平サイズの古臭い本だ。
そして目次を見てビックリ。なんと俺と同じ町の人が自費出版で出した郷土史だった。
町内にある神社や石碑、誰それの家に伝わる古文書やさらに洞穴など、
その由来や経歴まで事細かに書かれている。
(へ~よく調べてるわー。この人よっぽどすること無かったんだなー)
と感心した俺は、その本を買って帰った。
家に帰ってから早速読んだが、おかしなことに気付いた。
俺の村だけ極端に項目が少ない。というか二つしかない。
一つは神社で、もう一つが村の奥に何か祀られているけどそれが何かわかんないし、
行き方もわからないというようなえらく抽象的な文章だった。
子供の頃から外で遊んでたけど、そんなものが存在しているなんて知らなかった。
これはさっそく検証しなければ!と俺は外に飛び出した。
しかし念入りに探したがそれらしいものは見つからない。
どうしたものかと沢の水辺をウロウロしていると、近くで農作業していたババアが声を掛けてきた。
※方言で書くの嫌なので標準語に直してます
「なにをしてる?」
「探し物」
「なんか無くしたのか?」
「いや・・・・。この奥になんか祀ってあるとか聞いたことある?」