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なにか、すごく嫌な感じがした。
向かう途中、アパートのゴミ捨て場で俺は見た。
俺があげたテレビを。
902 長いです、つまらないです。4/7 sage New! 2008/10/24(金) 01:15:05 ID:pBYxjNQU0
部屋に入り詳しく話を聞く。
「戸締りは?」
「絶対した、忘れるはずがない!!!」
「そ、そう・・、じゃあ、どうやって入ったんだろうな」
「だよねぇ・・・」
窓は割れていない。帰宅した時、鍵は掛かっていたと言う。荒らされた様子もない。ただ、テレビだけがない。
実際、テレビがどこにいったのかを俺は知っている。
思えば、最初にゴミ捨て場で見た時点でこいつに言うのが普通だ。でも、何故か、言えなかった。
「なぁ、もしかしてさ、前の住人かもよ?」
「ん? どうして?」
「前の住人がスペアキーを持ってたとして、もし、大家さんが鍵を付け替えてなかったら・・・」
「・・・、なるほど」
「まずさ、大家さんに聞きに行かない?」
このアパートの大家は一階に住んでいる。しかもこの部屋のちょうど真下。
呼び鈴を鳴らし、出てきた大家に事情を話した。
「・・・と、こういう訳なんですが」
「うーん、困ったねぇ」
「で、ですね、鍵のほうは交換しましたか?」
「あ、当たり前じゃないですか!!!!! 変えないはずがないでしょう!!」
大家とのやりとりで、俺は何かに近づいた気がした。
903 長いです、つまらないです。5/7 sage New! 2008/10/24(金) 01:15:39 ID:pBYxjNQU0
「一応、部屋の方を見に来てくれませんか?」
提案した。
全てが分かる、そんな気がした。
友人の部屋の前、ドアを開けた瞬間、大家の顔。やっぱり。
「あの・・・、私、知り合いの物件があるんですよ。いいですよ、そこ。
で、どうですか? そこに部屋変えすると言うのは・・・?
あああ、もちろん敷金とか要らないです。引越しの費用とか、そういうの全部私が持ちます」
大家の言葉、この部屋には何かある。
「こう言ってる事だし、引越した方がよくない?」
「だね、そうするよ」
これで全て解決だ。
恐らく、きっと、絶対に、この部屋には良くない「もの」がいる。
だからこそ大丈夫。
引越せば大丈夫。
904 長いです、つまらないです。6/7 sage New! 2008/10/24(金) 01:16:13 ID:pBYxjNQU0
引越し当日。
荷物を積み終わり、大家に挨拶を済ませ、後はアクセルを踏むだけ。
友達を助手席に残し俺は戻った、大家の部屋に。
何かがひっかかっていた、やはり事実を確認したい。そんな思いで呼び鈴を鳴らす。
「あの、すみません」
「ああ、どうも」
「言いにくいんですが、その、前の住人は、亡くなった・・・んですよね?」
「・・・・・・・ああ」
終わろう。もう大丈夫。友人はもう、大丈夫。引越すから。