師匠シリーズ

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混乱する頭で、一つ一つを整理しようとする。
線香の香りが立ち上り、ゆらめく不安定な過去へといざなわれる。
君は腹を立てる。なにも知らなかった自分に。そんな生き方をしたその人に。
君は悲しくなる。なにも知らなかった自分が。そんな生き方をしたその人が。
手から線香が落ちる。スニーカーのミシン目にそって蟻が一匹這っている。
綺麗な色の羽をした鳥が垂れ下がる木の枝にとまっている。どこからか湧き水の流れる音が聞こえてくる。涙が一筋だけ空に落ちていく。
そうして君は最後に優しくなる。
「あのバカ」
そう。
あのバカに。

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