師匠シリーズ
ともだち

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262 ともだち ラスト  ◆oJUBn2VTGE ウニ New! 2007/08/22(水) 23:03:32 ID:B6d5URPx0
「俺、その子の顔なんて見てないですよ。あんな距離じゃ、全然。目が悪いの
 知ってるでしょ」
俺が女の子の顔から、その芸能人を連想したということを言いたかったらしい
師匠は沈黙した。
それからしばらくして、ゆっくりと顔を上げ、真剣な目をして言うのだ。
「あれが、イマジナリーコンパニオンなんかじゃなく、霊的なものだとするなら、
 おまえの部屋に出たってことがどういうことかわかってるのか」
その言葉を聞いた瞬間、悪寒が全身を駆け抜けた。
あからさまに怯え始めた俺を見て、師匠は膝を叩いて言う。
「よし、なんだかわかんないものはとりあえずブッ殺そう」
やたら頼もしい言葉に頷きそうになるが、穏便にお願いしますというジェスチャー
で返す。
「冗談だ」
笑っているが、どこまで本当かわからない。
まあ放っとこう。どうせとり憑かれてるのは、あの子だ。なんならここに2、3日
泊まってけばいい。たいていのヤツなら逃げてくよ。
そんなハッタリめいたことを言う。まるでこの安アパートが霊場のような言い草
だ。
けれど少し、気が楽になった。

結局その2頭身の女のバケモノは、2度と俺の前に現れなかった。
師匠も、その正体を結論付ける前に警察を呼ばれてしまい、2度とその幼稚園
には近づけなかったらしい。
警察は霊なんかよりずっと怖い、と後に彼は語っている。

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