学校の怖い話
図書館にいるモノ

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568 3 sage New! 2006/12/03(日) 10:48:22 ID:fJaZu2+r0
先週の水曜日のことでした。
私はいつも通り集密書架の本を返却していました。その日は一段と「感じる」ようで、どうにも纏わりつくような視線に耐え切れず、
早く終わらせて戻りたい。戻りたいと手早く整理を済ませていました。
すると足音が聞こえてきたのです。少しづつ近づいてくる足音に私はきっと誰か来たに違いない。
とほっと胸をなでおろしたのですが、それが皮肉にも恐怖の始まりとなるのでした。
集密書架はABCDと分類されており、それぞれ20程度の棚がありボタンを押すことで棚が動いて、本を閲覧するスペースが生まれます。
各書架につき1つしかスペースが作れないので、もし整理中に利用者がきた場合には
私達は一度作業を中断して別の書架に向かわなければなりません。
そのため私はこれから来る人がこの場所の利用者だったらと考え、手を止めて通路側を見ていました。
すると1人の方がまるで覗き込むように体を半分ぬっと出してきたのです。
私は思わず心臓が止まるかと思いました。その方の服は真っ白で、凹凸やつなぎ目が一切ないワンピースのように思えました。
しかしそれよりも驚いたのは顔で、ホラー映画にでも出てきそうな、横に広がったパーマのかかった髪、
何よりも一昔前に話題になったグレイのような真っ黒な瞳が私をじっと見ているのです。
それはニヤリと笑ったように思いました。

569 4 sage New! 2006/12/03(日) 10:50:20 ID:fJaZu2+r0
次の瞬間にあろうことか棚が動き始め、私を挟みこもうとしているのです。
書架には人が挟まれないように足元にバーがついており、これに何かが触ればすぐに止まるようになっています。
私は咄嗟に蹴るようにガン・ガンとバーを蹴ったのですが一向に止まる様子はありません。振り返るともうそこに先ほど人はいませんでした。
思わずパニックになった私は「助けて!誰か助けて!」と叫び続けました。
手を強引に棚に突っ込み、足をガニマタにして、顔も横に向けすこしでも長く保とうとしましたが、それも空しい抵抗でした。
お尻や胸から順に棚に挟まっていき、骨がミシミシと悲鳴を上げているような気がしました。
もうだめだ!
そう思った刹那。ふっと体が楽になりました。ゆっくりと棚が遠ざかっていくと力の抜けた私はその場にペタンとしゃがみこんでしまいました。
「大丈夫ですか!先輩!?」
騒ぎをききつけた同じアルバイトの後輩が助けてくれたようでした。
もう泣いていいのやら怒っていいのやら分からず、とにかく無事だったことで気が緩んだのか、もう力なく笑いながら
「アハハ、大丈夫、大丈夫。ちょっと挟まれちゃったみたい」
「いや、全然大丈夫じゃないですよ!何言ってるんですか!」

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