子どものころの怖い話
ひょうせ・渦人形

この怖い話は約 3 分で読めます。

1階を探索していると、E介が「2階から笑い声しね?」と言い出した。
俺達は耳を澄ましてみたが、笑い声は聞こえない。
E介に気のせいじゃないか?といったのだが、E介は気になるらしく見に行きたいと言い出した。

しかし、まだ1階の探索も終っていないので、仕方なく3人ずつのグループに分けて、
片方はそのまま1階を、もう片方は2階を探索する事にした。
グループわけは簡単で、同じ学校の俺とA也とB太がそのまま1階を、
別の学校のC広とD幸とE介が2階を探索する事にして、何かあったら階段のところでおちあう事にして別れた。

 

暫らく探索していると、2階から突然

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

と場違いに明るい笑い声が聞こえてきた。

そしてすぐに「おいE介?どうした?おい!」とC広とD幸の狼狽した声が聞こえてきた。
俺達が大慌てで2階に上がると、一番奥の部屋に3人はいた。
笑い声の主はE介で、窓のほうを向いてまだ

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

と大声で笑っている。
そしてその横にC広とD幸がいて、真っ青な顔でE介を揺さぶったり頬を引っ叩いたりしていた。
俺達もただ事では無いと3人のところに行って前に回りこんでE介の顔を見たとき、
俺は今時分たちが置かれている状況の深刻さに始めて気が付いた。

E介はほんとにおかしそうに笑い声を上げているのだが、顔は無表情でしかも目からは
大粒の涙を流している、それに何か臭いとおもったらどうやら失禁しているらしい。

E介はまるで俺達の事が見えていないかのように泣きながら笑い続けている。
俺達が狼狽してE介に呼びかけていると、その場で一番冷静だったB太が

「とりあえずE介このままにしておけないし、合宿所まで運ぼう」
と言ってきた。

 

そして、俺達はE介の手足と肩をもち外へと運び出そうと1階までE介を運んだ。
が、そこで問題がおきた。
ドアを開けようとしたB太が声を震わせながら大声で

「ドア開かねーよ!」
と言ってきた。

俺達はE介を廊下に降ろし、みんなでドアを開けようとしたのだが、
さっきは簡単に開いたのに今はびくともせず、
6人の中で一番体格の良いA也がドアにタックルしてみたのだがそれでもまるで開く気配が無い。

俺達は軽くパニックになり顔を見合わせていると、2階から微かに

「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」

と、まるで抑揚の無い機械的な声というか音というかが聞こえてきた。
E介はまだ床に寝転がされたまま笑っている。
とにかく外にでないといけない、そう考えた俺は、1階のリビングがガラスのサッシのみで
割れば出れそうな事を思い出し、4人にそれを伝えるとリビングへと向かう事にした。
その時、ふと俺は階段の上を見て絶句した。

階段の踊り場の少し上ところから子供の顔がのぞきこんでいる。
月明かりが逆光になっていて表情とかは何も解らないが、顔のサイズや髪型から
さっきの子供とわかった。
相変わらず

この怖い話にコメントする

「ひょうせ・渦人形」と関連する話(子どものころの怖い話)

ひょうせ・渦人形