洒落怖
死ぬかと思った話

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そんで川に入ったんだが、寒すぎるし川底は藻?が生えててかなり歩きにくかった。 
それでも進んで、熊から逃げようと思ったら。 
あいつが飛び込んで来て、あっという間に俺のすぐ横まで来た。 

「もう死ぬな・・・俺」 

と思った瞬間藻で滑って俺はそのまま流された。

下の方に流されるし、全身岩で痛めてもう本当に歩けない状況だった。 
このまま流されて逃げられればよかったのにと、淡い希望もあったけど歩けるスピードの川の流れなんてたかが知れてるしな。 
もう食われるしか無いと思ったが、そこで川の上の道路で軽トラックが止まった。 

「大丈夫かあんた!?」 

多分年配の人だったと思う、姿は逆光でよく見えなかった。 
声振り絞って「熊!・・・熊がいる!助けてくれ!」と叫んだ。 

どうやらその人はわかっていたらしく、何かをライターで火をつけた。 
破裂音が鳴り響いて、後ろでバシャッ!!って音が聞こえた。 
暫くするとその人はこちらまで走って来て、肩をかして貰い軽トラックに乗り込んだ。 

そのまま俺は病院まで連れってもらい、肋骨は骨折に足首は捻挫、全身打撲、低体温症で入院する事になった。 

後で聞いた話だけど、その人は農家の人でパチンコの帰りだったらしい。 
そんであの時火をつけたのは爆竹で、この時期は熊に出くわす事があるから携帯してるんだと。 

熊よけの持たずにこんな時期に農道通るなんて、死にたいのかと散々怒られたよ。 

お前らも秋の田舎は気を付けろよ。

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