洒落怖
白いワンピースの女の子

この怖い話は約 3 分で読めます。

私は中へと入って行きました。

しかし、そこにあの女の子の姿はありませんでした。
「何処へ行ったんだろう?」

六畳程しかない準備室です、隠れても分かる様な広さですし、何より、先生用の机や予備の骨格標本、薬品棚がある位で隠れられる様なスペースはない筈です。
そんな探し回る私の頭上で、女の子の笑い声が響きました。

そう、彼女は予備の骨格標本の棚と天井の間の隙間にいたのです。

そして、それに気付いた瞬間、骨格標本の棚の上にあった段ボール箱が私の真上に落ちて来たのです。

(死ぬ・・・・!)

私は、死を覚悟して目を瞑りました。
52:夕紅@\(^o^)/:2015/03/06(金) 16:39:46.95 ID:BDYMhv0f0.net[2/3]
しかし

バサバサバサバサ!!!

何か、粉の様な物が大量に落ち、全身にかかった感覚はありましたが、予想していた様な強い・・致命傷となる様な衝撃はありませんでした。

「・・・・・?」

余りの予想外な出来事に、私は恐る恐る目を開いてみましたが・・・私の目と鼻の先、息がかかりそうな距離にあの女の子がいました。

しかも、目と鼻の部分に大きな黒い穴が開いた状態で。

その女の子は私と、無い筈の目が合った瞬間、また、ニヤリと笑ったのです。

その瞬間、私の意識は闇に落ちていきました。

そして、目が覚めたら、病院のベッドの上にいたのです。

どうやら、私がランドセルで窓ガラスをぶち割った騒ぎを職員室の先生方が聞きつけ、粉まみれになって失神していた私と、気絶していたエリカちゃんを助けてくれた様でした。

放課後に帰らないで校舎で遊びまわり、あまつさえ窓ガラスを破壊したということで、私とエリカちゃんは両親と先生からかなりきつくお灸をすえられました。
53:夕紅@\(^o^)/:2015/03/06(金) 16:45:21.12 ID:BDYMhv0f0.net[3/3]
その時、私は、あの粉の正体が気にかかり、先生に聞いてみることにしたのです。

「先生。私が被った、あの白い粉は一体何だったんですか?」

「ああ、あれなー・・・」
先生は、余り言いたくない様で、はぐらかす様に視線をそらしました。

しかし、私は何とか食い下がり、正体を聞き出す事に成功したのです。

なんと、あの粉の正体は『粉末状になるまで細かく砕いた人骨』でした。

(私は人骨を被ったのか・・・。)

吐きそうになるのをこらえ、詳しく聞いてみると『幼い女の子』の骨であると判明したそうです。

しかし、如何せん時間が経っているのと、粉末状態で他に遺留品等の手掛かりがない事、何より・・・あの段ボール箱を誰が持ち込んだのかすら分からない事で、身元不明の遺骨として、埋葬される事になりました。

(かなり古い段ボールで、理科の先生が着任した時には既にあり、誰がいつ持ち込んだかすら分からなかったそうです。)

お葬式と埋葬はエリカちゃんの教会で行われました。
そして、お葬式が終わり、お墓にお花を御供えしている時、エリカちゃんとある話をしました。

この怖い話にコメントする

白いワンピースの女の子