洒落怖
白いワンピースの女の子

この怖い話は約 3 分で読めます。

しかし、待てども待てどもエリカちゃんは来ないのです。
私が教室を出る時は、教科書を既にランドセルにつめおわり、ほぼもう背負って出るだけだった筈なのに。
何かおかしいー。

もしかして、体調が悪くて倒れたんじゃないか?!
心配になった私は校舎に戻りました。
そして、急いで教室に向かったのですが・・エリカちゃんはそこにはいませんでした。

(何処に行ったんだろう?まさか、入れ違いに?)

ですが、ランドセルは確かにまだ教室にありました。
そこで、私は校舎を探すことにしたのです。
音楽室から図工室、給食室から隣の教室。
ほぼ全ての教室を探し回った私は、ある教室でエリカちゃんを発見しました。
50:夕紅@\(^o^)/:2015/03/06(金) 14:46:45.75 ID:EuajtbVt0.net[8/8]
理科室です。

「エリカちゃん!」

そう声をかけようとして、私は息を呑みました。
いる。
そう、いるのです。

エリカちゃんの背後、真後ろに、白いワンピースの女の子が。
エリカちゃんも気付いている様で、必死に目を閉じて何も見ない様にしています。

(エリカちゃんが殺されてしまう!!!)

そう思った私は、自分のランドセルを掴み、理科室の中に入ると、その女の子に向かって全力でランドセルを投げつけました。
ランドセルは女の子をすり抜け、窓ガラスにぶつかり、派手な音を立てて窓ガラスを突き破り、校庭に落ちていきました。

その瞬間、女の子が振り向いたのです。

その顔はーーー真っ白でした。

目も、鼻も、口もない。

ただ、目や鼻があるべき場所にうっすらと凹凸がある位の。
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

ランドセルがガラスを破った音に思わず目を開けたエリカちゃんは、余りに不気味で異様なその姿を間近で直視してしまい気絶してしまいました。

そして、その女の子は無い目でエリカちゃんをちらりとみる様な仕種をすると、私に向き直りました。
すると、その顔が徐々に変化を始めたのです。
51:夕紅@\(^o^)/:2015/03/06(金) 16:34:21.06 ID:BDYMhv0f0.net[1/3]
口の部分に、小さな蜜柑の種程度の穴があき、それがどんどんと梅干しの種の様な大きさ・・人間の拳位の大きさ・・グレープフルーツ位の大きさ、と大きく、変化していったのです。

そして、その穴は、顔の両側を結ぶ様な・・綺麗に横一文字に裂けた真っ赤な口になるとニヤリと笑ったのです。

そして、その女の子は笑いながら身を翻し、隣の理科準備室へと扉をすり抜けて入って行ったのです。

辞めておけば良かったのに、当時の私は怖いもの見たさとエリカちゃんの敵討ちの気持ち、それにほんの少しの好奇心が打ち勝ち、理科準備室へ乗り込んでいきました。

危険な薬品等がある為、普段は厳重に施錠されている筈の準備室の扉が、まるで紙で出来た暖簾の様に、軽く押すだけで開いたのです。

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