洒落怖
ラブホテル

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なんや思う?

二人ともまったく赤の他人の顔やってん。

556 名前:コピペなのれす5 投稿日:2001/07/16(月) 09:34
キャー!

「黙れ!」
怒鳴った。
俺も怖かったからな。
「イヤ…イヤや…」彼女は泣き出しそうな声でずっと言うてた。
「顔が違うやん…なあ?」
そう言うて顔見合わせた。
「…」
二人とも一瞬お互いを見てすぐ顔を背けた。
…見られへんねん。

あらためて見た彼女はいつもの顔に戻ってた…でもな、眼やねん眼。

もうな、眼がまったく知らん奴の眼やねん。
それがとんでもなく恐ろしい眼やねん。
見開いた…死んだ魚の目みたいな感じ…でも意識はある

「眼が全然違うやんな」
俺がそう言うたら彼女もうなずいてた。
二人とも顔を見合わせることでけへんから違う方向を向いて喋った。
その時、やっと気づいてん。
その部屋の空気が尋常じゃないことに。

これも表現できひん。

557 名前:コピペなのれす6 投稿日:2001/07/16(月) 09:36
ズンって重たい‥目の前に何か煤けた透明のフィルターを一枚通した感じ…
明らかに普通じゃなかった。

パンパンに膨れあがった風船が今にも破裂しそうな緊迫した[気]を全身に感じてん。霊感ゼロのアホのおれでもわかるねん。

すぐ出なヤバイって。

それ以上、部屋におったら取り返しのつけへんことになる予感した。
二人とも慌てて服を着て出ようとした…けどなかなか着ることできひんねん
自分らな、映画とかで役者がガタガタ震えるのん現実ではあんまりなったことないやろ?あの状態。立たれへんぐらい全身が震えてるねん。

実際、立たれへんねん。
これな、大袈裟とちゃうで、手なんか4、5センチぐらいの幅で震えてた。
人間な、まったくの未知の世界に放りこまれたら好奇心もクソもない。
絶望に近い恐怖を感じるねん。それだけや。

二人とも違う方向を向いてガタガタ震えながら服を着ようとしてた。
焦ったらあかんねやけど今にも背中の方で風船が爆発しそうやってん。

適当に服を着て、二人とも絶対に振り向かんようにエレベーターまで歩いた。
走らんようにな。

558 名前:コピペなのれす7 投稿日:2001/07/16(月) 09:37
エレベーターに乗って…鏡張りのエレベーターやった…鏡に映る彼女に「なんやろ?これなんやろ?」言うた。彼女はずっと下向いたまま首を横に何回も振ってガタガタ震えてた。
俺の全身も立ってられへんぐらい震えてた。
車に乗って爆走でホテルから逃げてん。

ここまで僅か10分足らずの出来事やで。

ホテルからでて、彼女の家までいくとき‥西淀川の福町って多分いまもそうやと思うけど、街灯ない上、工場地帯やから道が暗くてヤヤこしい。

ハンドル切ろうとした時、おれ何かしらんけどヤバイって思った。
同時に彼女が横であかん!って叫んだ。
急ブレーキ。

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