洒落怖
スタジオ

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「か、顔の…位置が……」

その男の顔は半開きになったドアに伸びた手のずっと下、床のすぐ上にありほんの少し
首を傾げた形で、まるで床に置いた生首のように見えました。顔が覗く位置があきらかに
人間のものとは違っていたのです。

「ギャアアアァーーーッ!!!!!」

弾かれたようにAは駆け出しました。無我夢中で転げながらスタジオに戻ると
二人を呼び顛末を話しました。声を聞いて慌ててやって来た守衛達も連れて
恐る恐るトイレに戻ってみると、その男の姿は既に霧のように消えてしまっていました。

505 名前:スタジオ 3 投稿日:2001/04/23(月) 00:55
その後Aが守衛に聞いたところ、スタジオの出入りの人数は(盗難防止の為)厳しくチェック
されており、確かにその日はBスタの3人と守衛が2人しか構内に残っておらず、
その時間2階のトイレに入っていた者は皆無との事でした。念の為全スタジオ内を捜索
しましたが、やはり他に誰も残ってはいませんでした。

「……以前からここはよくでるらしいんです。なんてったってこれですから」

トイレに戻った時に守衛のひとりがそう言って、洗面台の脇にある窓を空けました。
スタジオの裏手にある小山が眼前にせまりまばらに竹が生えていて急斜面が
上に続いていました。見上げると上の方に無数の石碑のような…
…ぞっとしました。

「ほらこっち墓場でしょ?降りて来てここに溜まるらしいんですよ。」

…俺の体験なんですけどね。あれ以来霊の存在を信じざるを得なくなっちゃいました。
ちょこっとだけ設定は変えてありますが実話です…。長々とすみません。

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