洒落怖
私の妹

この怖い話は約 4 分で読めます。

705 4/1 2006/11/07(火) 19:19:54 ID:SS+/UuN30
私には妹が一人いる。
妹は小さい頃“お兄ちゃん。今、あの人~~~って思ってたね~~。”
という話をよくしていた。
最初のうちはそんなに気にならなかったが、ある日、私は妹がなぜこのような話し方を頻繁にするのか理解した。
私の叔母は一度交通事故で入院したことがあった。
当時の医師の話では99%助からず、仮に助かったとしても一生介護が必要となるとの事だったのが、叔母の悪運は強く今でもぴんぴんしている。
叔母が事故に遭った次の日私と妹は両親に連れられ叔母が入院している病院に行った。

其の日は私達のほかにも親戚が何人か見舞いにきていた。
其の中には私の祖父の兄夫妻もいた、彼らは私達2人
を見つけると私達に軽く挨拶してくれた。
そして“叔母さん早く良くなるといいね。”と一言声をかけてくれた後、すぐに帰っていった。夫妻の姿が見えなくなると妹が私にこういった。
“今のおじちゃん、叔母さんが死ねばいいと思ってたね。”
私は妹を“他人がやさしい声をかけてくれたのに
其の人たちに向かって失礼な事を言うな。”と叱った。
妹は泣き出して、妹の泣き声を聞いた母が私を叱りにやってきた。
私は状況を母に説明すると、母は困ったような顔をして妹を慰めた。

707 2/4 2006/11/07(火) 19:21:07 ID:SS+/UuN30
其の日の夜、母は私に病院であったことを話してくれた。
其の日祖父の兄夫妻は私の母に、私の叔母(母にとっては実の姉)
が植物人間になったら大変だ、そうなるくらいなら・・と言う話を本当にしていたらしい。そして妹がこういう他人の心理に対して異常に敏感なのは母はかなり前から知っていたと言う事も打ち明けられた。
私は他人にこの事を話さなかった。それから妹にはたくさんの質問をした。当時一番怖かったのは
自分の心も妹に読まれるのではないか。と言うことだった。
妹が言うにはいつも一緒にいる人の心はよく見えないらしい。
この話を妹とするまで妹は私も妹と同じように人のことがわかっている物と思ってたらしい。
其の後何度も妹に自分が今何を考えているか当てさせて、ぜんぜんあたらないのを確認して安心した覚えがある。

708 3/4 2006/11/07(火) 19:22:01 ID:SS+/UuN30
私は夏休みこの妹と一緒に夜カブトムシを取りに山に行ったことがある。
田舎の山でかなり暗かったが、父も同伴だったので、私は怖くなかった。父がカブトムシのいそうな木
を蹴ってカブトムシを落として私達が拾った。
其の日は入って30分ほど(よく覚えていない)でクワガタもカブトムシも取れ調子が良かったのでかなり
深くまで入っていった。
ちょっと入って歩いて行った所で妹が後ろに立ち止まって私と父を呼ぶ。私と父が振り返ると妹は泣き出してしまった。
其のときはまったくわけがわからず、父のほうを見ると父は妹に駆け寄っていった、私も父の後を追いかけ妹のほうに走っていくと妹は拍車をかけて泣き出す。其のとき妹が恐怖している対象が自分のすぐ後ろにいるのではないかと心配になり私も泣き出してしまった。
妹は私達から逃げるように走りながら山を下りていく、私は泣きながら走り妹に追いつく寸前のところで
派手にこけてしまった。持っていた虫かごもひっくり返してしまったが、虫に構っている余裕など無く虫かごも放って走った。父は後ろで虫かごを拾ってくれたのだが虫かごの蓋も虫も拾ってこなかった所を見ると父も
相当慌てていたのだと思う。

この怖い話にコメントする

私の妹
関連ワード