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910 本当にあった怖い名無し sage 2008/09/30(火) 19:52:07 ID:UmVWziYd0
学生時代の話。

うちの大学は旧陸軍の師団があったところで、怪談には事欠かない。
兵舎をそのまま使っている箇所もあるくらいだ。
ある時、事務室に行く用事があり、一人で渡り廊下を歩いていた。
そこも兵舎をぶち抜いて造った渡り廊下で、昼でも暗くてあまり
通りたくない箇所だ。

嫌だなぁと思いつつ歩いていたら、歩を進めているはずなのに、
廊下の先がどんどん遠くなっていく。
「え?」と思って一瞬目を疑った。
更に歩を進めていくのに、出口がどんどん遠のいていき、そのうち
ザッザッザッザ・・・と、まるで大勢で行進するかのような足音が
後ろから聞こえてきた。
「やばい!」と思って、振り向きもせずに走り出したのに、どんどん
出口が遠ざかっていく。
もう半分泣きながら必死で走った。
すると、急に周囲が明るくなって、ようやく渡り廊下を抜けた事に
気が付いた。
同時に、あの大勢で歩く足音も聞こえなくなった。
それ以来、あの付近を歩く時は、渡り廊下を通らないようにしていた。
あの時、追いつかれていたらどうなっていたろうと今でも思う。

校内では時々、昼間でも白い塊が移動している事があった。
サークル棟でも、夜中に子供が階段の所で泣いているという事が
あったり、昔大勢の遭難者を出したワンゲル部の前を通ると、
冷たい澱んだ空気が滞留しているし、新歓の肝試しの時には
足首だけ歩いているのを見たり、桜の木の陰からどす黒い顔だけが
こちらを見ていたのを見つけたり。
あの頃は本当にいろんなものを見たなと思う。
ちなみに、今は親族の誰かに不幸が起きる時に夢を見るくらいで、
そういった類のものは見なくなった。

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