洒落怖
逆吸血鬼と存在しない町

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491 逆吸血鬼と存在しない町 sage 2008/08/31(日) 01:58:51 ID:YaF8J6x30
突然声をかけられた俺は、脱兎のごとく走り出した。
「あ、まてって!」
そういわれて待つやつなどいない。
(宇宙人に見つかった)
そう思ったからだ。
チラッと見た感じだと、若い普通の男性みたいだったがそのときは冷静ではなかった。
だが、子供が大人に勝てるはずもなく、程なくして俺はつかまった。
それでも、鳴いて喚いて噛み付く俺を男は必死になだめてくれたおかげでだいぶ落ち着いた。
「本当に、本当に宇宙人じゃないの?」
「違うから・・・・・・」
半分疲れたかのように男はいった。
見た感じ普通の男、どこにでもいるような大学生か高校生だった。
それでも宇宙人ではないかと疑った俺はいろいろ質問をした。
「おっさんの血の色は何色?」「おっさんじゃねえ・・・・・赤」
「なら血液型は?」「A型」
「星座は?」「水がめ座」
「なら今日の運勢は?」「最下位だったな」
とかetc。
「どこをどう見たら、宇宙人に見えるの?俺が?」
半分あきれている。
確かに眼は真っ黒ではないが、でもコンタクトをしている可能性がある。
だから確かめるためにチョキで男の目をぶっ指した。
「~~~~~~」
男はそこら辺を転げまわった。

 「ごめんなさい」
数分後、立ち上がった男がしたことはまず目をよく洗うことであった。
目は真っ赤になっているから、コンタクトではなかった。
「コンタクトをしているわけではないとわかったな?」
男はため息をついた。完全にあきれているようだが怒ってはいなかった。
「俺もう家に帰るから。ありがとうございました」

492 逆吸血鬼と存在しない町 sage 2008/08/31(日) 01:59:43 ID:YaF8J6x30
「ちょっと待って」
俺は振り向いた。
「君は何年何組?」
「6年2組ですが、何か?」
「この教室は何年何組かわかる?」
何をいってるんだこの人は?と思った。
ここは東校舎の二階で二番目の教室なんだから、
「5年2組でしょ?」「残念、外れ」
嘘だと思うなら札を見てみなよ、といわれて廊下を見ると1年2組だった。
そんな馬鹿な。
俺はすぐに三階に向かった。
自分の教室は、
「2年2組だって?」
すぐに東校舎を出て西校舎に向かう。
3階にいくとそこに6年2組があった。
だがそこには、俺の席がなかった。
呆然としていた自分の背後にあの男がいた。
「君が何をいいたいかはわかっている。俺はそのためにここにいるしな」
「ここ、何処?」
「少なくとも君の居ていいところではないだろうね」
そういえば、なぜこの男はここに居るのだろう?
ここは小学校で、彼が学校の関係者にはとても見えなかった。
「君が君に家に帰ったとしてもそこはきっと君の家ではないだろう。だから、俺の話を聞いてくれな・・・あ!」
俺は走った。逃げるためではなく確かめるために。

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