洒落怖
思い出なの?

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948 4/5 2008/08/09(土) 18:47:07 ID:CiRpxVeD0
寝不足でイライラしていた彩子はとうとうキレた。
「なんなんですか!!あなたに関係ないでしょ!」と言うと。
淡々とした口調だが、今までよりも大きな声で
『鏡っていうのはね、光だけじゃなく悪い気も跳ね返すのよ
悪い気があなたの部屋を通ってるんだけど、姿鏡が反射して
私の部屋にくるの。』
「はぁ!?頭おかしいんですか!」
『だからマァ君がね、事故に遭って今入院してるの。このままだとマァ君が死んじゃうでしょ?
だからあなたの部屋の姿鏡捨ててちょうだい?思い出なの?』
もう駄目だと思った彩子は勢い良くドアを開け、滑り込むように部屋に入って鍵をかけた。
外では女性の大きな声が続いている。
『思い出なの?それでもしょうがないのよ?』と。

949 5/5 2008/08/09(土) 18:48:20 ID:CiRpxVeD0
部屋の電気を付け、彩子はすぐさま管理人に連絡をした。
一方的に変な隣人に困っていることを半分パニックになりながら伝えたが。
管理人はあまり真剣ではない様子。
ふいにチャイムが「ピンポーン」「ピンポーン」と鳴る。
「ほら!まだ居る!早くすぐ来てなんとかしてください!頭がおかしくなりそう!」
管理人はう~んと唸りながら答える
「その、隣人なんですけどねぇ。― 」
すると玄関のチャイム音の奥から不思議なことに男の声が聞こえてきた。
「《ピンポーン》すいませーん!すいませーん!」
管理人は続ける
「 ―お宅の隣の707号室は携帯の基地局として機材が置いてあるだけで
誰も住んでいないんですよ。」
管理人が言い終わるころ、外の男の声が告げた。
「さっき口論してた人!飛び降りちゃいましたけど!」

彩子は失神してしまった。

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