洒落怖
右手に蝋燭、左手に・・

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555 1 New! 2008/07/13(日) 01:03:31 ID:zln2kzdQO
愛知県の出る、と噂の多いとあるトンネルの話。
おれの友達のバイクの走り屋仲間が実際に体験したという。

その日、夜中にみんなで峠を走らせがてら、肝試しで例のトンネルへ行こうかと計画をリーダーが立て、人を集めた所7人の走り屋仲間が集まった。

深夜2時頃、時間帯もあってかバイクのエンジン音のみが峠の道で響き渡る。
「着いたぜ!」と本来公道として使われているトンネルとは違う、今はトンネルの端が封鎖されているもう一つの旧トンネルに7人は到着した。

ぽっかりと口を開けた真っ暗なトンネルと森からの冷気が、蒸し暑さによるじっとりとした汗を冷やす。その心地よさとは逆に7人は何か嫌なものをそれぞれ感じ取っていた。

「ビビってんじゃねーよ!んじゃルールな!おれがまず最初にトンネルの端の壁まで行って、ロウソクを7本、人数分置いてくる。1人ずつトンネルの端まで行き、そのロウソクに火を点けて帰ってくる!」
とさすがリーダー。そう言うとさっさと人数分のロウソクを持ってトンネルの闇に消えていった。

556 2 New! 2008/07/13(日) 01:22:24 ID:zln2kzdQO
6人はトンネルの闇をじーっと見ているしかなかった。それほど場に圧倒されていた。
しばらくすると闇の奥の方でかすかにオレンジ色が見え、それがだんだんこちらへ近づいてきた。
「お~!やべやべ!!やっぱなんかいるよあそこ!」と顔を引きつらせてまずリーダーが帰ってきた。ロウソクを置き、自分が持って帰るロウソクに火を点けようと、ジッポを擦って場が明るくなった瞬間に何かが視界の隅で動いたのだという。

このリーダーの嘘に見事に引っかかった6人は完全にビビってしまい、かと言って年頃の男が集まっているのだから腰抜けには見られるわけにもいかないと、ガクガクいいながら一人ずつトンネルに入りロウソクを持って帰るという度胸試しが始まった。

真っ青な顔で戻って来る者、恐怖に耐えられなくなり走って戻って来てつまづいて転ぶ者もいれば、余裕じゃんと笑いながら戻って来る者もいた。

そして残された、7人の中では最年少の後輩。彼はただ1人、最後まで青い顔をして震えていた。
「お前が最後だからな!ロウソクちゃんと火ぃ点けて持って来いな!」とリーダーが肩を押した。
後輩は顔面真っ青にしてフラフラと闇に消えていった。

560 3 New! 2008/07/13(日) 01:51:36 ID:zln2kzdQO
「う~ん、おせぇな…」
後輩がフラフラとトンネルの闇に消えて30分が経とうとしていた。他の者は遅くても10分ほどで戻ってきていた。
うんこしてんじゃねーの?と話しながら、万が一の事があったら何なので、みんなでトンネルに入ろうとした時、小さなオレンジ色の光がこちらへ近づいて来た。
おー来た来た!と皆でロウソクに照らされた後輩の顔を見た。
後輩は顔が変形していた。

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