洒落怖
パンク

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盗聴器を疑い、部屋中のコンセントを分解した事もあったが、それらしき物は何もなかった。

267 本当にあった怖い名無し sage 2009/09/08(火) 07:31:39 ID:PG+tx3z6O
そんなある日、建築現場のバイト中に、俺は怪我をした。不注意で、クギを思いっ切り踏んでしまって、病院へ。
クギが錆びていた可能性もあるって事で、結構な事態になってしまった。
家に帰り、彼女に一連の事を話した。
彼女は俺の傷を心配した後に、何かに気付いて急に暗い顔に。
しばらくして、暗い顔のまま言った。
君がもしタイヤだったらパンクしてたね、、、
俺もそれを聞いて初めて、この怪我と一連のパンクを結びつけた。それまで考えてもいなかった。
しかし万が一、俺の怪我も一連のパンクと関係あるとしたら、犯人はもはや人間ではないのでは?

そうなったらもう呪いや悪霊の類だ。
彼女は今にも泣きそうな顔をしてる。
「考えすぎだろ」と俺は言った。
言ったものの、内心、怖くて仕方なかった。
嫌な事ばかり考えてしまう。例えばこのぼろアパートが呪われてるのでは?とか。
けど、一番怖いのは、彼女に被害が及ぶ事。俺は今回、怪我をしたが、幸い彼女の身にはまだ何もない。
数週間考えて、話し合い、彼女は家出した実家へと戻る事になった。
一人で、このぼろアパートに住むのは怖かったが、俺の実家は遥か地方だし帰れない。新しいアパートを借りる余裕もない。足の怪我で、ろくに仕事もできない。仕方なかった。
しかし、意外なことに、彼女が実家に帰ってから、なぜか自転車のパンクは全くなくなった。

同棲生活は終わっても彼女との交際は続いていたし、彼女も首を傾げていた。
それからは何事もなく月日が経っていったが、ある日、葬式があった。
彼女の父親の葬式。
その葬式の時に、彼女と彼女の母親と俺の三人で話す機会があり、その席で妙な話を聞いた。
死んだ父親は、俺の事を相当憎んでいたらしい。
大事な娘を奪った男という認識だったようだ。
彼の仕事は大工。大工という仕事は、木材にクギを打ち付ける機会が多い。
彼は俺への恨みを込めて、木材にクギを打ち込んでいたらしい。
わら人形にクギを打つように。
「そうすると、気分がスッキリするって、あの人、言ってたわ」
そう言って彼女の母親は笑った。
ブラックジョークのつもりだったのか?
彼の行動と自転車のパンクや俺の怪我に因果関係があるとは思えないが、それを聞いてからは、彼の遺影を直視出来なかった。

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  • 匿名 より:

    最低な両親だろ

  • 匿名 より:

    最初、彼女が無意識に動いてパンクさせてたオチかと疑ってしまった…
    まぁ結局彼女絡みではあったけど

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