洒落怖
公衆電話

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968 公衆電話③ sage 2009/09/12(土) 01:48:24 ID:JIboTiWc0
十数回の揺れのあとそのコールは終った。
何なんだよ、俺は携帯に目をやった。
画面を見て俺は背筋がゾクッとした。
着信38回・・・全部公衆電話。
何だこれ?
俺はこのトイレにいちゃまずいと直感して公園の出口に向かって走った。
・・・胸がドキドキする。
何かやばいな、これ・・・普通じゃないな。
そう思いながら公園から舗道に出た。舗道まで行きゃ人とかいるだろ。
クソっ こんなときに限って車も走ってない。もちろん歩いている人もいない。
ん?人か?人がいる。
道の反対側のだいぶ向こうのほうに後ろ姿だけど人影が見える。女か?
俺は目を凝らした。

それは人ではなかった。
黒い長い髪、白い着物・・・でも足がない、腰から下がない。この世のものじゃない。
なんだありゃ?
冗談ではなく俺は泣きそうになり腰を抜かすって言うかその場にへたりこんだ。

その女のようなヤツのちょっと先に公衆電話のボックスが見えた。
ヤツはそのボックスに瞬間移動した。
まさか・・・?
俺は最悪の予感がした。

案の定、ヤツは受話器を手にした。
数秒後、俺の携帯が揺れ動いた。
・・・『公衆電話』の着信文字・・・

俺は携帯から目を離し電話ボックスのほうを見た。
ヤツがこっちを振り返った。
うわーこっち向くな!

969 公衆電話④ sage 2009/09/12(土) 01:52:53 ID:JIboTiWc0
そこから先は記憶がない。
目覚めたら明け方近い交番のイスに座っていた。
「ん?やっと 起きた?何回起こしても起きないんだから」
その警官によると俺は路上で寝ていて、それを保護されたらしい。

「どうもすみませんでした。ご迷惑お掛けしました。」
「まぁケガとかなくて幸いだったけど、これからはあんまり飲みすぎないでくださいよ」
「あ・・・ええ・・・はい・・・」
「ところで所持品だけどこの携帯電話と家のカギだけでいいの?財布ないみたいだけど」
「そうです それだけです」
その後警官はいぶしげな顔をして俺に言った。
「その携帯の待受画面って何か意味あるの?いや・・・一応あなたの身元を確認しなきゃいけないから携帯見たんだけど・・・あれ何の写真?・・・いやこれは別に答える必要はないけどね。ちょっと個人的に気になるんで聞いてるだけだけど・・・」
「何ですか?待受がどうかしたんですか?」
俺はそう言いながら待受を見た。

女がレイプされている。
周りに数人の男がいる。
ん?この場所ってあの公園では?確信はないがそんな気がした。

970 公衆電話⑤ sage 2009/09/12(土) 01:53:39 ID:JIboTiWc0
警官も俺の横から待受をのぞきこんでいる。
そして俺に向かって言った。
「近くの公園あるでしょ?あそこで女性が強姦された後、殺された事件知ってます?もう数年たちますけどね・・・未だに犯人は捕まっていないんですけどね」
まじかよ?じゃああの女は?
俺は待受を見ながら呆然とした。
それを打ち消すようにその警官が冷たく言い放った。
「・・・今から本署に来てもらいます?任意なんですけど・・・」
は?俺が犯人って疑われているのか?
そのとき手にした携帯が着信で揺れた。
どうせ公衆電話からだろう・・・そういうオチなんだろう?
俺は半ばやけっぱちに携帯を見た。

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