洒落怖
呪いの運び手

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寝るときは一番外から隔絶とした部屋で、お札はドアに立てかけておけとの指示。
嫁と布団に入ったのは深夜過ぎだったかな。本当は寝るのは怖かったんだけど、
酒が入ったせいか耐えられないくらいの眠気に襲われて、我慢できなかった。

371 3 sage New! 2009/05/15(金) 21:39:26 ID:uLQO5mJi0
眠ってからどれ位たった頃か、部屋の外から聞こえてくる音で目が覚めた。
ぺた、ぺた、という足音に交じって、童謡?っぽい明るい歌声がする。
ゆっくりと部屋に近づいてきて、ドアをノックしノブを回し、また遠ざかっていく。
嫁は全然起きてくれず、息子もすやすや眠っている。

それは一定のパターンを持って動いているようだった。
まず、ふーんふーんふふふ・・・て感じで鼻歌?歌いながら近づいてきて、
ドアをゆっくりドン、ドン、ドン、ドンと4回ノックし、
ガチャ、ガチャ、ガチャ、ガチャとノブを4回回す。
そしてふーんふんふふふ・・・と遠ざかっていき、
廊下を曲がって突き当りまで行くと、また同じように戻ってくる。
ふーんふーんふふふ・・・、ドン×4、ガチャ×4、ふーんふー(ry
ていうのが十数分は続いた気がする。
どうも俺の体験は字で読むと愉快なのだが、実際経験すると恐怖だ。

さらにドアガチャされる度、焦げたみたいにお札の表面が黒く変色していき、
部屋中に甘ったるい香りが充満しだした。
あえて例えるなら、プリン作ってる時の台所みたいな匂いかな。
そういえば、Aの死んだ母さんはよくおやつにプリン作ってくれた。

お札がほぼ真っ黒になった頃、ドアガチャされた拍子に部屋の鍵が開いた。
どっか逃げようにも地下室だし、外に通じるドアは一つだけで、
結局どこにも逃げられない俺は、硬直してドアを見つめるしかなかった。
だが奴はなぜかドアを開けず、ふーんふーん・・・と再度遠ざかっていく。

374 4 sage New! 2009/05/15(金) 21:57:25 ID:uLQO5mJi0
うおー、スマンでした。Aが帰ってきたもんでちょっと声掛けてきたっす。

で、足音が廊下の突き当たりに到着した頃、俺の携帯が鳴ったんだ。
ほぼ思考を麻痺させながらも「あい?」って出たら、
ひどくあわてた様子のAが、
「Bさん!ドアにお札!カバンにお札あるから!」と言う。
「?」と思いながらカバン探ると、確かに同じお札がそこにある。
Aに言われるまま、それを真っ黒になったお札の横に置いてみたところ、
ガラスか何かを割るような大きな音が廊下に鳴り響いた。
歌声が止み、突然の静寂。
いなくなったのか?と思い、ドアに近づいて聞き耳を立てたところ、
ドア一枚隔ててすぐの所で、奴は何かをつぶやいている。
不明瞭で意味が分からないが、なんとか聞き取れた部分を文字にすると、
「しかばなら(しからばな?)」「こつ」「だいた」

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