洒落怖
憑かれたのは誰か

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俺はゆっくりと車のドアを開けて、外へ出た。相変わらず異臭がキツイ。
そしてKが再びエンジンをかける。ここでエンジンがかかれば
憑かれたのは俺であり、人生真っ暗になるのが決定する。

Kがエンジンを回す。

234 恵ちゃん sage 2009/04/12(日) 04:44:09 ID:7K0gFBXLO
しかし…どうやらエンジンはかからないようだ。
Kは車の中に戻ってこいと手招きした。俺は安堵した。
死刑から終身刑に減刑された気分だった。

K「「俺」は大丈夫みたいだな、じゃあ次はMちゃん外に出てみて」
まるでKは死刑を宣告をするかのような口振り。
Mちゃんは泣きながら外へでる。そしてエンジンは…

かからない。

再びKはMちゃんに手招きをする。Mちゃんもきっと俺と同じ気分だろう。
しかし、残されたSは顔が真っ青だった。ドラえもんくらい真っ青だ。

S「ということは…」
K「そういうことだ。さぁ降りてくれ。」
血も涙もない奴だ。このやろう。もういい。
さっき俺は友情を忘れたが、汚名挽…違うな。名誉挽回のために名乗りでた。

235 恵ちゃん sage 2009/04/12(日) 04:52:23 ID:7K0gFBXLO
俺「S、俺も降りる。」
S「なっ…いや、でも…」
俺「1人じゃ危ない、一緒に帰ろう。KはMちゃんを頼んだぞ」
言ったあとで後悔の念が出てきた。俺まで憑かれたらどうしよう。
まぁいいや、考えるの面倒だ。俺とSは外に出た。

K「じゃあな、生きてたらまた会おう」
次会ったら呪い殺してやると、このとき俺は誓った。
エンジンをかけるK。だがエンジンはかからない。
速く行けよカス、何してるんだ。
するとKから冷や汗がスゴい勢いで出てるのが分かった。
ドアを開けてKに聞いてみた。
俺「おい、K何してるんだよ」

Kはテンパりながらこう言った。

236 恵ちゃん sage 2009/04/12(日) 05:00:46 ID:7K0gFBXLO
K「かからねえ…エンジンがかからねえんだよ!」
さっきまでの冷静な口調と差がありすぎて思わず笑いたくなる。
そこでSが言った。

S「もしかして、憑かれたのオマエじゃね?K」
K「え…?」
S「とりあえずオマエ降りろ、俺がエンジンかけてみる」

ブォォン……
あっさりかかった…。

K「まさか見捨てたりしないよな?」
命乞いをする囚人のような言い方だった。しかし躊躇はしない。

俺「なんとかなるだろ?生きてたらまた会おうぜ!」

俺たちはKを置いて街へ戻った。

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  • 匿名 より:

    で?車どうした?

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