この怖い話は約 3 分で読めます。
同じ言葉を、よりにもよって先生が呟いてしまった。
「…これは…まるで、ア…」
「それを言うなァア!!!」
モリヤマくんの、鋭い声の一喝が響いた。
びっくりして振り向くと、鬼のような形相で部屋の片隅を見つめている。
顔を真っ赤にして、冷や汗をかいてブルブル震えている。
129 本当にあった怖い名無し sage 2009/11/22(日) 02:35:17 ID:rETLHkqV0
「その窓を閉めろ!」
言われるがまま、弾かれるようにアシの一人がその窓に駆け寄った瞬間、カーテンを
引き裂いて、何か白い塊が飛び込んできた。
それは凄い速さで部屋の中を通り抜け、向こうの開いている窓から飛び出して
行った。本当に一瞬だった。
一番間近にいたそのアシさんは、失禁して気絶していた。
おいらたちも、さすがに腰を抜かして、しばらく立てずにいた。
「…もう、大丈夫ッス」モリヤマくんの一言でようやく皆、無言で自分の位置に戻る。
それから誰も話をしようとしなかった。
「…これじゃ仕事にならねえな…」先生が呟いた。まあ、確かに。
「今日は終わり。これで酒買ってきて。でもみんな朝まで居てくれよ。俺が怖いから」
その後は怖がってる先生を囲んで酒盛りになった。モリヤマくんは足の竦んだアシを
2人引っ張って酒を買いに行く。気絶したアシには先生のトランクスとジャージを
貸してシャワーを浴びさせている。
まだ放心している先生は座らせておいて、おいらは酒盛りの用意をし始めた。
それまで皆が使っていた飲み物のコップを、一回洗っておこうとしてギョッとした。
誰かの麦茶の飲み残しが、ガチンガチンに凍りついていた。
242 おいら ◆9rnB.qT3rc sage 2009/11/24(火) 18:04:52 ID:5t7/u3d50
おいらです。投下準備完了。
>>129の後日譚となります。宜しければ。
【スズキの写真 その後】
1/3
酒を買いに行っていたモリヤマくん達が帰ってきたのは、1時間後だった。
ビールとツマミを、新聞を敷いた床にガラガラとあけて酒盛りが始まったのだが…
静かだ。
皆、さっきのことを聞きたくて仕方がない。だが、誰も切り出せない。
モリヤマくんは一人だけ黙々とビールを腹に流し込み、平気で柿の種をバリバリ
喰っている。
「なあ…さっきのは…」堪りかねて話しかけたのは先生だった。
この人、実は相当に我慢弱い?
モリヤマくんの手が止まった。
「あの写真を見せるんじゃなかった。ふざけてて油断してました」
「最初に言いましたよね。あれを見て思ったことを口に出すとヤバいと」
「だから、説明することができない」
「口にしただけで、またすぐにあれが来ます。俺には来るのを止められない」
「言っときますけど、あそこはマジですから。ホントにシャレになりません」