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313 1 ◆lEMchm76dQ sage 2011/07/22(金) 01:09:28.24 ID:MKt15ICJ0
当時キャバクラのボーイをとある事情で辞めて
バーテンダー見習いとして働き出し、1年程たった頃
一人の若い青年がお店にやってきた
「こんばんわ、久しぶりだね」
「え、あー・・いらっしゃいませ」
まずい事になにも覚えちゃいない
彼の名前はおろか、顔すらも覚えていないのだ
「あぁ、この世界ではまだ知り合ってもいないんだね」
おっとぉ、話しがややこしくなってきたぞ・・・
「申し訳ございません、仰る意味がよく・・・」
「ごめんね、なにか酔える強い酒をお願い」
そう言うと彼はカウンターで向かい越しに座りだす
なにか喋りたそうに俺の顔を伺いながら尻尾を振るのが見える
「先ほどの事なんですがどういう意味があったんでしょうか?」
聞いてやるよ、聞いて欲しいんだろw
新手の宗教かそれとも・・
「いえね、僕はこの世界の人間ではないんですよ」
「厳密に言えばこの世界になる可能性があった世界の住人という事です」
つまり・・え・・なに?
どういう事?
315 2 ◆lEMchm76dQ sage 2011/07/22(金) 01:10:49.30 ID:MKt15ICJ0
「つまりですね、君がサイコロを振って1が出たとする」
「でも私はそこで2を出した。その時点で僕と君は違う地球に住む事になるんだ」
「では、私とお客さんはそちら2の世界で知り合っていた・・と?」
「そゆこと」
自称時空の旅人がチーンと出したばかりのグラスを指で弾く
なるほどね、早々にお帰り頂く努力をしよう
お金を持っていればお客様だが俺のキャパシティを破壊されては
業務に支障が出るってもんだ
「お客さんがいた世界では、世界はどのようになっているんですか?」
「それがさぁ、聞いてくれよぉ・・」
なんでも彼のいた世界ではビックリする事に地球はもう無いらしい
巨大彗星だか隕石だかが地球に近づき、引力に引き寄せられ
本来の軌道から外れ宇宙を旅する生命が存在しない死の惑星になったのだとか・・・
さらに驚く事に宇宙人(兄弟と言ってたが)がその直前に現れ
肉体を捨て、精神をとある器に収める事で色々旅が出来るようになったのだとか・・・
なんのこっちゃw
後半は酔いが回ったのか呂律もうまく回ってない
「面白いですね、ではお客さんはサイコロの目の1~6の色々な地球を旅して回ってるんですね」
「ご明察!疑いながらも人に合わせるその態度!やはり君はどの世界でも変わらないねぇ」
「他の世界の私はどのような仕事でなにをしているんですか?」
「んー、ほぼ全部死んでるよー」
317 3 ◆lEMchm76dQ sage 2011/07/22(金) 01:12:24.38 ID:MKt15ICJ0
聞かなきゃよかったw
つか言わなきゃ知りえないのだから嘘でも言うなよ・・