洒落怖
ントモ

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怖くないけど、異様な体験の思い出を書き込んでみる。
俺は○教大学出身なんだけど、そこにマリ出身のアブさんってニックネームのアフリカ人留学生がいた。
当時大学3年だった俺はジェンベっていう太鼓のサークルのメンバーで、
新入生の勧誘やってたらいきなり黒人が「やりたい」って来てんだよ。
話し聞いたら留学生で、名前がアブディラだかアブドゥルだかって言うから、
俺らサークル仲間はアブさんって呼んでた。
ジェンベが凄く巧くて、しかも24歳でサークルの現役メンバーじゃ一番年上だったから、
自然と俺らから一目置かれてさん付けになるって感じだった。

514 本当にあった怖い名無し sage 2011/02/24(木) 17:45:44.30 ID:Aq1qWMQJ0
それで、事が起こったのは夏のある夜だった。
サークルメンバーの一人で、同じ3年のNから突然、
「4年になったら就活で会う機会無くなるから、今夜、みんなでアライさん家いかね?」
という電話が来た。たしか7時頃だった。
俺は「アライって誰だよ。え?心霊スポット?肝試しすんの?
いいよ。アブさんは誘ってない?じゃあ俺が電話するわ」みたいな受け答えしてた。
俺は心霊スポットでアブさんがどう反応するか見てみたかったので、即電話した。
俺「もしもし、○○だけど。アブさん俺らと今から遊び、行くのオーケー?」
アブさん「えー、レポートやるよ!でもいいよ。行く、ドコか?」
俺「ゴーストハウス!あー、メゾン・ド・ファントム?」
アブさん「それ怖いの所か。遊び違うよ。嫌だよ。私忙しいよ」
俺「いや、アブさん必要!アブさん絶対行く!」
俺が必死に誘うと、アブさんもしぶしぶ行くことにした。
俺らはNの車に乗ってアライさん家に行った。

515 本当にあった怖い名無し sage 2011/02/24(木) 17:46:09.01 ID:Aq1qWMQJ0
結局、集まったメンバーは、Nと俺とアブさんと、3年のK、2年のIの、5人の男だけだった。
アブさんが、みんなジェンベ持って来てって言うので、俺らは各自のジェンベを持ってきた。
でも、アブさん自身はジェンベじゃなく、なにか小汚い布の包みを持っていた。
みんながアブさんに、「心霊スポットで演奏会するのか?」って聞いたら、
アブさんは、「違う。ファントム危ないよ、遠くにやるよ」って言った。
よくわからんが、幽霊が怖いから除霊するらしい。
その後アブさんが自分の計画を話してくれたんだけど、それがかなり奇妙な計画だった。
まず、アブさんは近くの森に一人で入り、俺らは廃墟の前でジェンベを叩く。
すると森から男が出てくる。この男はアブさんじゃなくて、ントモというエスプリ(精霊)らしい。
だから、一見アブさんのように見えても、アブさんじゃなくントモと呼ばないといけないらしい。
それで、その精霊が幽霊を追い払ってまた森に帰るまで俺らはジェンベを叩き続ける。
これがアブさんの計画だった。

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