洒落怖
オウム返し

この怖い話は約 2 分で読めます。

普段めったに鳴らない家の電話への着信が一時期、激増したことがある
ナンバーディスプレーなんだが、番号が出ないまま待ち受けと同じ状態で
深夜、数十分に一回、朝5時まで鳴り続けたということもあった

電話に出ても誰も出るはずがなく、かなり恐ろしかった
1か月ほどでこの電話も止んで、本当に急を要する用事でなければ
電話が鳴ることはなかったのだが、つい最近、今までとは違う現象が起きた

ナンバーディスプレーに数字が出ていたので、誰だろうと思い液晶を見ると
そこには「00000000000」とだけ表示されていた
恐る恐る受話器を取り「もしもーし」と何度か尋ね相手の反応を待つ

しかし、やたらエコーのかかった声で「もしもーし」と自分の声が返ってくるだけ
何度尋ねても同じだった。5分して、また「0000000000」からかかってきた
やはりこちらの話した言葉がそのまま返ってくる。数分おきに5回くらい続いただろうか。

まさかまた鳴るわけが、いい加減にしてほしいねェ、と家族で話していたところに
またもや着信。もうゼロが10個並んだ番号を見ても恐怖までは覚えず、
「なんなんだ」と半ば怒りながら受話器を上げた。

……受話器からは
「まさかまた鳴るわけが」「いい加減にしてほしいねェ」「なんなんだ」
と、受話器を上げる前の会話から聞こえてきた

家族全員凍りつき、その日はもう電話に出ないことを決意
一度だけ電話が鳴ったが、やはりディスプレーに0が並んでいたので無視を貫いた
その日以来二度とその番号からの着信はない。翌朝履歴を確認したが、履歴にも残っていなかった。

この怖い話にコメントする

オウム返し
関連ワード