洒落怖
暗闇の子

この怖い話は約 3 分で読めます。

しょうがないな~。暇なので俺なりに >>844 を修正して怖い話に仕上げてみた。

————————————————————————————————-
高校生の頃サッカー部に所属していたのですが、その時に体験した話を一つ投稿します。

体力づくりや友達が出来れば良いなぁという動機で高校2年になってから部活に参加したのだが、
あの不吉な事件がきっかけとなりすぐに退部したので、所属していたのは正味10日間程度だった…。

途中入部したので、実際には皆のこなしている練習について行ける訳がなく、いつも一杯一杯だった。
レギュラーに成りたかったわけじゃないけれども、あまりに自分が情けなく感じられ、
皆が帰った後も一人で練習していた。最初の数日は何事もなく平和に経過した…。

その週の日曜日にも部活があり、18:00くらいまで残って納得の行くまで練習をしていたのだけれども、
当時は冬だったから18:00で完全な暗闇に支配され、周囲は怖いくらいの雰囲気になっていた。
ボールも見えなくなり、急いで帰ろうと部室のドアに手を掛けた時、ふと違和感を感じた。

その違和感の方向に目を凝らすと、すぐ近くに幼稚園児くらいの子供が背を向けて佇んでいる…。
月明りもなく完全な暗闇の中に、そんな幼い子が一人静かに佇んでいること自体があり得ない事に思われ、
背筋の辺りがゾッと逆立つのを感じた。

しかしどう見ても普通の子供だ。よくよく見ればしっかりとした存在感というか気配も感じるような気がする。
そこで『顧問が息子を連れてきたのかな?』と思いなおし、思い切って「ボウヤどこの子?」と問いかけてみた。
しかし、いつまで経っても返事が返ってこない。
その代わりにゆっくりと少しずつ、まるでスローモーションを見るかのように振り向き始めたのだ。

855 暗闇の子(2/5) sage 2011/02/11(金) 02:31:22 ID:95h8ebib0
完全に体が俺のほうへ向いたものの、薄暗がりの中で顔がよく見えない。
そこで一歩近づきその表情を確かめようとした時、俺は心臓が凍りつきそうになるのを感じた。
なぜなら、この誰もいない真っ暗な校庭の片隅にある部室の前で、幼稚園生くらいの幼い子供が、
ニコニコと楽しそうに笑顔を浮かべていたのだ。

面食らって凍り付いていると、その子供は不意に動き、部室の奥の方へ入って行った。
そして部室の入り口から真正面の壁に背中を当ててそのまま座りこみ、先ほどの笑みを浮かべながら、
入り口に立つ俺の方をずっと見つめている。そこで、気を取り直し、再び問いかけることにした。

「顧問の○○先生の所の子でしょ? ここに来たらお父さんに叱られるよ?」

しかし今回もまるで聞こえなかったかのように、俺の声を完全に無視している。
ただひたすらに、入り口の外にいる俺を見つめながらニコニコしているのだ。
薄気味が悪くなり、とりあえず着替えを手早くすませることにした。

この怖い話にコメントする

暗闇の子
関連ワード