洒落怖
思い思いのお化け

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必死の思いで大人達のいる部屋まで逃げ帰ると、先に逃げ出した親戚の子達がワンワン泣いていた。
私がホッとしたのも束の間、許しをくれたはずの父親にガンガン怒られてそれで泣いた。

47 本当にあった怖い名無し sage 2009/12/13(日) 01:06:06 ID:C25Bw8q8O
親戚の子達が「お化けがいた!」と泣き叫び、時間も遅いからとその日はもうお開きということになった。

親戚が帰ってから妹に話を聞くと、私が木戸を開いて大きな音を立てたから皆驚いていたと言う。
その時には一番年下の子は逃げ出していて、それにつられるように皆逃げ出したとか。
猫の声は聞いていないらしい。
「でもね」と妹に泣きそうな顔で「扉が開いた先の廊下に人がおった」と言われて改めて恐怖を感じた。
「けどそれよりも四つんばいで向かってくるあんたの方が恐かった」と言われて悲しくなった。

後日親戚の子達にも聞いたが「大きな赤い目をした犬が走ってきた」や「ろくろ首が首を伸ばしていた」なづ、皆思い思いのお化けがいた話を作り上げていて正確な話は分からなかった。
ただ男の子一人と妹を含めた女の子二人は人がいたという話をしていたので何かいたんだろうとは思う。
祖父は「お盆だからご先祖様が帰ってきたんだよ」と慰めてくれたが、私が聞いた猫の声に関しては首を捻っていた。

48 本当にあった怖い名無し sage 2009/12/13(日) 01:09:03 ID:C25Bw8q8O
猫の鳴き声に関しては後で祖母がこっそり教えてくれた。

まだ私の父親が高校生くらいだった頃、年末の掃除の時に離れの掃除をしようとガラス戸を開けると、どこからかニャーニャーと聞こえたらしい。
縁の下に猫が住み着いたのかと思っていたが、あまりに鳴き続けているので縁の下を覗いてみた。
猫が二匹いる、と思ったが一匹は動かない。
死んでいる。
気味が悪いと思った祖母は鳴き続ける猫を追い払い、猫の死体を捨てたらしい。
ところが、それから離れの縁の下に猫が住み着いてしまった。
何度追っ払ってもいつのまにか縁の下に戻ってニャーニャー鳴いている。
いい加減頭に来た祖母は、業者に頼んで縁の下をブロックで塞いで貰ったという。
そこまでする必要あるの?と聞いたが「最初に追い払う時に散々腕を引っ掛かれてね、それからお婆ちゃん猫が大っ嫌いになっちゃったから」らしい。

もしかしたら、私が離れで聞いた猫の声はその数十年前の猫の声なのかもしれない。
でも猫がそんなに長生きするわけないし、第一縁の下には入れない。
つまりあの夜私はご先祖様らしき霊(目にはしていないが)と猫の霊、二体の霊に遭遇したのだろうか。

あれ以来離れには近づいていませんが、今度行くことがあったら写メでも撮ってきます。

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