洒落怖
おっさん

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息を殺しながらよく見てみると、50代くらいのおっさんで、正座で家主の友人の脇に座ってた
身を屈めて友人の耳元に口を近づけ、お経のようにぼそぼそしゃべってる
友人を助けなきゃと思ったけど恐怖で体が動かなくて、目もそらせない
とにかく早く朝が来てくれと願うしかなかった
たぶんそんな長い時間じゃなかったと思う
そのおっさんがゆっくりと振り返って俺を見た

やばいと感じてあわてて目を閉じて寝たふりをしたんだが、その間もおっさんの声は聞こえてくる
だんだん声は大きくなってきて、わずかに聞き取れるようになってきた

つらいつらいつらいつらいにくいにくいにくいにくい
いたいいたいいたいいたいぬめりぬめりぬめり(そう聞こえた、ホントは違うかも)
しねしねしねしねしねさむいさむいさむいさむい
おれがおれがおれがおれがおまえもおまえもおまえもおまえも

222 本当にあった怖い名無し sage 2009/09/25(金) 16:20:22 ID:f6y3MwqK0
言葉にするのは難しいけど、なんかそんな言葉をひたすらに繰り返している感じ
もともと怖い言葉だけど抑揚が無くただ繰り返されるとよけいに怖かった
じっと耐えてたんだけどどうにも気になっちゃって、薄目を開けてみると
おっさんの顔が俺のすぐ脇にあった
ダッシュで外に出て、コンビニで朝を待った
始発が動くとすぐに家に帰った
起きたら俺がいなかったと文句を言われたが、朝一でバイトがあったのを忘れてたと言っておいた

暗闇でみたおっさんの顔は一生忘れられない
色のない白黒映像のようだけど、やけに鮮明で毛穴のぽつぽつや髭のそり残しまで見えた
ぶつぶつ言っているはずなのに口は一文字に閉じていて、目はなく空洞のように黒く穴が開いていた

部屋主にアパートでなにか事件はなかったかと聞いてみたけど、何年か前に行方不明になった学生がいたらしいとか
変な宗教にはまって中退したのがいるとか、あまり関係のなさそうなことばかりだった

文章にするとあんまり怖くないかもしれないけど、そのときは本気で怖かった
部屋主はその後も住み続けて、卒業後は県外に就職した
俺は地元で働いたが、あの場所だけは今も近寄らないようにしている

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