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深夜残業

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252 本当にあった怖い名無し sage 2014/01/13(月) 22:59:34.23 ID:0qeR7L7l0
一時的にでも密室に入るのが嫌で、エレベーターをスルーして階段に向かった。
1階まで一気に駆け降りると、動揺したように常勤の守衛さんが駆け寄ってきた。

「どうしたんですか、今の声!?」
どうやら気づかないうちに俺は叫び声をあげていたらしい。
「6階のトイレに…何かがいて……」
そう絞り出すのがやっとだった。

恥ずかしながら守衛さんに近くにいて貰いながら1階でトイレを済ませ、守衛室で少し休ませてもらう事になった。
多少なりとも落ち着きを取り戻した俺は事の顛末を話した。
守衛さんは馬鹿にする風でもなく親身になって話を聞いてくれたが、似たような前例は無いのかの問いには首を横に振るだけだった。

253 本当にあった怖い名無し sage 2014/01/13(月) 23:00:37.46 ID:0qeR7L7l0
ずっとそうもしていられないので、二人で6階の様子を確かめに行くことにした。
エレベーターに乗って6階に向かい、件のトイレに近づく。
「それじゃあ、電気点けますよ」
そう言うと守衛さんは一足先に中へ、自分もそれに続く。
個室も2つとも開け放されていた。
何かがいる気配もなく、痕跡も残っていなかった。

ただ、おかしいんだよ。
確かに俺は電気を点けっ放しで逃げたはずなのに、なぜか電気は消えていたんだ。
気味が悪くなった俺は、そのまま鞄を回収して会社を出た。
始発の時間はまだだったが、とにかくこれ以上この場にいたくなくて、コンビニで時間を潰して帰路についた。

254 本当にあった怖い名無し sage 2014/01/13(月) 23:01:40.02 ID:0qeR7L7l0
それ以降、特に自分に変わったことは起きていない。
年が明けてから同僚の何人かにこの話をしてみたけど、そのような噂は聞けなかった。
正直なところ、ゴメンゴメンwwwそれ俺が仕掛けたドッキリなんだわwwwみたいな反応を期待していたんだが…。

俺は今もその会社に勤めている。
でも、もう一人での深夜残業は絶対にしない。

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