後味の悪い話
スノードーム

この怖い話は約 4 分で読めます。

「青空のむこう」で話題になった、アレックス・シアラ―の児童書(?)『スノードーム』。
子供の頃に読んだきりだから細部は間違ってるかもしれないけど、大筋はあってるはず。
 
科学者である独身中年男性Yの職場には、同じく科学者である青年Aがいる。
優秀で研究熱心なAだが、人との関わり合いを避け、家族も恋人もいないようだった。
そんなAの机の上には、スノードームのような置物が一つ置いてある。
Aがとても大事に扱っているそれが気になったYは、ある日Aが席を外した隙に、
それを手に取り眺めてみる。中にはごく平凡な街並みが広がっていた。

そこへAが戻り、勝手なことをするなと激怒。次の日出社すると、スノードームはAの机の上にねじで固定されていた。
YはAのあまりの神経質さに違和感を覚えるものの、触らぬ神に祟りなしと、なにも詮索はしない。
 
しばらくして、Aが忽然と姿を消す。意外にもAが自分宛に手紙を残していることに気がつくY。
そこにはAが語ることのなかった、これまでの人生が綴られていた。

719 : 本当にあった怖い名無し : 2012/04/21(土) 22:48:13.57 ID:oxk+Ze6N0
Aは幼い頃、画家である父と二人、貧しくはあるがそれなりに幸せな生活を送っていた。
父には、自由奔放で魅力的な、踊り子の恋人Pがいる。Aもその恋人によく懐いていた。

Aの近所には、天才発明家兼芸術家Bが住んでいた。
裕福であるが生まれつき非常に醜いBは、誰にも愛されることなく一人寂しく暮らし、
時折個展を開いては自らの作品を公開している。その個展を覗いたことがきっかけで、AとBは知り合うことになる。
自分の子を育てることを諦めていたBは、Aのことを非常に可愛がる。
AはBを少し苦手と感じながらも、その作品に魅了され、交流を続けていた。
そんな中、父の恋人P、次いで父が謎の失踪を遂げる。途方に暮れるAだが、Bの養子として迎えられ、新たな生活が始まった。
BはAが実の子であるかのように愛情を注ぎ、何不自由のない暮らしをさせる。
だがAはBに恩義を感じつつも、Bの望むようにBを「父さん」と呼ぶことはどうしてもできずにいた。

720 : 本当にあった怖い名無し : 2012/04/21(土) 22:51:45.77 ID:oxk+Ze6N0
月日が経ち立派に成長したAは、国内有数の大学への進学が決まる。
ずっと自分を支えてくれたBに対して愛情が芽生えていることを自覚し、初めてBを「父さん」と呼ぼうと決意するA。
だがその矢先に、Bは自宅で事故死をしてしまう。階段を上る途中に転落したBの腕には、
Aの年頃には合わない大量のおもちゃと、知らない名前に「Bおじさんより」と書かれたバースデーケーキが抱えられていた。
Bの死を悼みつつもそれらを不審に思うAは、ついにBの日記を発見し、その内容に衝撃を受ける。

721 : 本当にあった怖い名無し : 2012/04/21(土) 22:59:31.91 ID:oxk+Ze6N0
BはPに恋をしていた。
しかしどうしても振り向かないPと自分の醜さに失望し、無理やり自分のものにしてしまおうと考えるまでになった。
Bは自らの発明品を用いて、Pを顕微鏡を使わないと見えないくらいに小さくし、作品であるスノードームに閉じ込めてしまう。
鍵の掛かった研究室にPの入ったドームを置き、時間を見つけては彼女を踊らせそれを眺めるB。
食事や生活用品を小さくしてはドームの天井に開けた扉から送り込み、廃棄物を取りだし、Pを飼うように生かしていた。
しかしPは日に日に衰弱し、このままでは死んでしまうとBは焦り始める。
体を元の大きさに戻そうとするが、どうしてもそのための装置が作れない。
歪んではいるもののPに深い愛情を抱いていたBは、結局Aの父までも小さくし、Pと再会させる。
理不尽な仕打ちに始めこそ憤慨する二人であったが、時間を掛けてその生活に慣れ、子を儲けるにいたる。
Pの腹が膨らみ始めたことに気がついたBは激しく嫉妬し、咄嗟にドームを割ろうとするが、Aの存在により思いとどまる。
やがて生まれる赤ん坊を見て、Bはその無垢な姿に感動する。

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