洒落怖
みっつの選択

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3人の人間とそれを除いた全世界の人間。そして、君。
殺すとしたら、何を選ぶ』

僕は何も考えることなく、黙って今来た道を指差した。

するとまた、頭の上から声がした。

『おめでとう。
君は矛盾なく道を選ぶことができた。
人生とは選択の連続であり、匿名の幸福の裏には匿名の不幸があり、匿名の生のために匿名の死がある。
ひとつの命は地球よりも重くない。

185 本当にあった怖い名無し sage New! 2007/09/23(日) 23:00:57 ID:1zdreh4Z0
君はそれを証明した。
しかしそれは決して命の重さを否定することではない。
最後に、ひとつひとつの命がどれだけ重いのかを感じてもらう。
出口は開いた。
おめでとう。

おめでとう。』

僕はぼうっとその声を聞いて、安心したような、虚脱したような感じを受けた。とにかく全身から一気に力が抜けて、フラフラになりながら最後のドアを開けた。

光の降り注ぐ眩しい部屋、目がくらみながら進むと、足にコツンと何かが当たった。

三つの遺影があった。

父と、母と、弟の遺影が。

これで、おしまい。

186 本当にあった怖い名無し sage New! 2007/09/23(日) 23:01:37 ID:1zdreh4Z0
彼の話が終わった時、僕らは唾も飲み込めないくらい緊張していた。
こいつのこの話は何なんだろう。
得も言われぬ迫力は何なんだろう。
そこにいる誰もが、ぬらりとした気味の悪い感覚に囚われた。
僕は、ビールをグっと飲み干すと、勢いをつけてこう言った。
「……んな気味の悪い話はやめろよ!楽しく嘘の話をしよーぜ!ほら、お前もやっぱり何か嘘ついてみろよ!」
そういうと彼は、口角を釣り上げただけの不気味な笑みを見せた。
その表情に、体の底から身震いするような恐怖を覚えた。
そして、口を開いた
「もう、ついたよ」
「え?」

「『ひとつ、作り話をするよ』」

をわり

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