山の怖い話
何かを探す男

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302 1/3 New! 2007/08/28(火) 22:27:28 ID:b7rL4+uP0
昔の話。俺は夜の山道を車でよく走っていた。
知り合いに無理言って譲ってもらったMGミジェット。
時代遅れのボロい車だったが、嬉しくてしょうがなく、毎晩のようにバイト
終わりで山に行っていた。

その日も深夜0時過ぎにバイトが終わり山に向かった。
6月の中旬ぐらいだったと思う。空は曇っていたが雨が降りそうな気配は無い。
車の幌を外しバイト先の駐車場を出た。

バイト先から山道の入り口までは約20分。今はその山道には平日・週末問わず
走り屋の車で溢れているが、その頃は週末にチラホラ数台いるぐらいで、平日
の深夜は貸切状態だった。

国道から山道の入り口に向けて右折する。
車は1台も見当たらない。速い車に迷惑かけないで済みそうだ。

その山道には道路灯も無い。ヘッドライトの灯りだけが道路を照らす。
慎重にギアチェンジをしながら走って行く。
しばらく走ると、直線と比較的緩やかなカーブのエリアになる。
そこで一息ついてスピードを落とした。この辺りが山の一番深いところになる。
このまま進むと他県に抜けてしまう。
「そろそろ戻ろうかな」と考えながらタバコを咥えて直線をトロトロ走っていた。

303 2/3 New! 2007/08/28(火) 22:28:06 ID:b7rL4+uP0
道は50mぐらい先で右にカーブしている。ヘッドライトのハイビームが白いガード
レールを照らす。
そのときヘッドライトの照らす先に何かが見えた。
「?」目を凝らしながら車のスピードを落とし、ゆっくり近づく。
人だ。若い男。20代前半ってところか。右カーブ入口辺りのガードレールの向こう
側で下を向いて立っている。
(単車でこけて、何か落としたのかな?)
と思い、カーブ手前で車を止めて声をかけた
「大丈夫ですかー?なにか落としました?」
結構大きな声で話しかけたのだが、その男は下を向いたままでこちらには
目もくれない。っていうか、車のヘッドライトで照らされていて、一度も
顔をあげないってどういうことだ?
と、そのとき気付いた。単車なんてどこにもない・・・車も無い。
徒歩でここまで来るなんて考えられない。しかも男は懐中電灯すら持っていなかった。

・・・急激に恐怖が体中を駆け巡る。
その恐怖心に気付いたかのように、急に若い男は下を向いたまま、ガードレール
を越えて俺のいる車道側に出ようとしだした。
俺はビックリして車を急発進させた。男を避けるように反対車線のガードレール
すれすれにそのカーブを抜けていく。
怖い・・・風がさっきより冷たく感じる。寒さと恐怖で歯がガタガタいっている。
チラリとバックミラーを見たが、月の灯りも無いそこには暗闇しかない。
やはりあんなところに人がいるはずが無い。
車の幌を外したことを後悔する。怖さ倍増だ。タイヤのスキール音を立て、
ガタガタ震えながら山道を抜けていくと、やっと他県の国道が見えた。

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