洒落怖
落ちていく

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御晩です。
昨日、ナナシと言う友人の話を書いた者です。
今日も、ナナシについて、少し話をしたいと思います。

あの悪夢のようなアパートでの事件から数カ月が経ち、
僕とナナシはまたお互いに
話をするようになっていた。
初めのほうこそ、多少ギクシャクしたが、
結局ナナシに不思議な力があろうがなかろうが、
あの女の人がどうであろうが、
ナナシはナナシで、僕の友達だということに変わりはない。
僕はあの日のことは記憶の底に沈め、ナナシと
普通に話すようになった。
ナナシも、今までと同じようにヘラヘラ笑って、話掛けてきて、
僕らはすっかり以前のような関係に戻っていた。

そんな、矢先のこと。
そろそろマフラーやらを押し入から出さないとな、なんて
時期の授業中。それは、起きた。

694 本当にあった怖い名無し ナナシの続き 2007/07/29(日) 21:10:41 ID:7Cx8lAjbO
教室では、窓際の最前列に
目の悪かった僕と委員長の女の子、
その後ろにナナシと、アキヤマさんと言う女の子が座っていた。
その頃、その窓際席の僕ら4人は授業中に手紙を回すのを
ひそかな楽しみにしていた。
つまらない授業の愚痴や、先生の悪口を小さいメモに書いて
先生が見ていない隙にサッと回す。
もしバレても、委員長がごまかして僕らが口裏を合わせることに
なっていたし、端とはいえ、前列で手紙を回すのは、
ちょっとしたスリルだった。

そしてそれは、たしか3時限目あたりの国語の授業中。
どこの学校にも一人はいるであろうバーコードハゲの教師が担当で、
今にして思えば大変失礼だが、
僕らは彼の髪型をネタに手紙を回していた。

くだらないことをしていると時間が過ぎるのは早く、
すでに何枚か紙が回され、授業も半ばを過ぎた。

そのとき、だった。
696 本当にあった怖い名無し ナナシの続き 2007/07/29(日) 21:17:06 ID:7Cx8lAjbO
教科書に隠しながら手紙を書いていた僕は、
ドン、と何かに背中を突かれた。どう考えてもそれは
後ろの席のナナシで、
「まだ書いてるのに、催促かよ」と、僕は少し
ムッとしながら振り返った。
するとそこには、眉間に皺を寄せた凄まじい形相で、
僕に何かを向けているナナシがいた。
手には開いたノートがあり、真ん中にデカデカとマジックで

「窓」と書いてあった。

思わず窓を見ると、

「ひっ…」

人と、目が合った。

698 本当にあった怖い名無し ナナシの続き 2007/07/29(日) 21:28:48 ID:7Cx8lAjbO
蛙のような体制で落下してきたその人は、顔だけをこちらに向けていた。
恐怖か苦痛か屈辱かわからない、むしろ全て入り交じったような
悶絶の表情を一瞬見せて、その人は消えた。
「うわぁああっ!!!」
僕ではない誰かが叫んだ。叫んだのとほぼ同時に、ドシン、と音が響く。
しばらくフリーズしていた教師やクラスメート達も、2,3秒して
騒ぎ立て、窓に駆け寄り出す。

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