洒落怖
階段怪談

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557 本当にあった怖い名無し 2013/01/10(木) 02:05:22.24 ID:WXkp8cckI
Aが語りだす。

「もうやめようぜ!」
とCが言った。

「え…で、でも…」とA。

「い、いや。そっか、駄目なんだよな、ゴメン……

ゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメン
ゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴメンゴゴゴゴゴゴメゴゴゴゴメンゴゴゴゴゴメゴゴゴ」

急にCが狂ったようにゴメンを繰り返し始める。その目は虚ろで、正気を失っているようだった。

もうCを構ってる余裕はなかった。
Dちゃんが目を瞑って耳を塞ぎながら、
「もう早く終わりにしちゃってよ…」と言い、Aは怪談を始めた。
相変わらず、ゴメンを繰り返すだけのC。
時々上ずるその声に遮られながら、Aの怪談が終わる。

559 本当にあった怖い名無し sage 2013/01/10(木) 02:09:37.83 ID:WXkp8cckI
…ギシッ……

「アト、いちだ~ん」

「「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」」

あと一段。

全員が早く終わることを願った。

そして、Bが語りだす。

時間が異様に長く感じる。

そして、ついに、最後の怪談が語り終わった。

…タン……

俺の右側に、”それ”がついにやって来たのを感じた。
俺含め、恐らく全員が目を瞑り耳を塞いでいた。Cも、いつの間にか黙っている。
何が起こるのか。

すると、フッと場の雰囲気がもとに戻るのを感じた。

あれ?
と思い、恐る恐る、耳から手を離し、顔を上げた。

「タノシカッタ?」

いつのまにか俺らの作った円の中央。目の前にいたその女には、体中に顔が盛り上がるようにくっついていた。
くすんだ花がらのワンピースから伸びる手、少しだけ覗く足、そして通常よりもふた周りほど大きな頭。
びっしり、デタラメに、いくつも、いくつも、いくつも。

560 本当にあった怖い名無し 2013/01/10(木) 02:10:54.03 ID:WXkp8cckI
「「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」」

顔が一斉に笑い出した。
と同時に、全員で立ち上がって逃げ出した。Cも、正気に戻っている。
校庭まで走って逃げ、俺らは立ち止まった。

「ヤバかった…マジあれはヤバイ…」

みんなでマジ泣きしながら、改めて女の風貌を思い出して泣いていると、

「あれ!」

と、Dちゃんが屋上を指差した。
見ると、例の女がこちらに手を振っていた。

再び俺らは逃げ出し、AだかBだけの家に逃げ込んだ。
それから、あの女を見ることはなかった。

この一連の話は俺たち五人だけの話となり、誰にも話しはしなかった。
他のクラスの奴らにも”階段怪談”に挑んだ奴がいるそうだが、そいつらがどうなったかまでは分からない。
いつしか俺らの間でもタブーの話となり、この事件は幕をおろした。

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