洒落怖
リサイクルショップ

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まだ二階にいる。もう着物の方は見れない
またパニック寸前になりながら逃げようとするが
うまく立てず階段の前でコケる
Aとおっさんが支えてくれてやっと階段を降りる
すぐに店の前まで出て排水溝におもいっきり吐いた
まっしろなゲロが排水溝に流れる

苦しくて苦しくてこのまま気を失って死ぬんじゃないかと思った
Aが背中をさすりながら「あの目を見ましたよね?」
と聞いてきて、また思い出して吐いた。
Aが「吐けるだけ吐いた方がいいっすよ」と言ってたが
俺は妙に「なるほど」と納得した
Aの言葉通りひとしきり吐くと楽になってきた
俺「アレが幽霊?」

A「そんなところです」
A「でも、幽霊というよりは怨霊だと思います」
A「店主とも話したけどあの着物は全部中古だそうです」
俺「もしかしてあの女は前の持ち主か?」
A「そうだと思います」

A「ここからは推論ですが」とAが説明してくれた
要するに晴れ着は成人の祝いや結婚式に親が
娘に買ってくれる大事なもので、やむにやまれぬ
事情を抱えた女性が質入する場合が多いこと
その晴れ着に対する未練やうしろめたい感情が集中する場所だったこと
俺が見たあの敵意丸出しの目は晴れ着を見に来る客を遠ざけようとする女性達の目で
俺が店に入ったときから見られていたらしいこと

今もあの顔を思い出すと少し気分が悪くなります

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