洒落怖
成りすまし

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すると、泊まるはずだった3つの宿はすべて既にキャンセルされていた。
詳しく話を聞くと1週間前にBと名乗る男からキャンセルの電話がきたとのことだった。
僕はそのキャンセルをした男はBじゃないと思った。
直感だが、AかDのどちらかだ。そう思った。
旅館の人には念のため、僕が今日電話をしたことは黙っていて欲しいとお願いをしておいた。

その後すぐにCに連絡をし、急遽会うことにした。
合流した刹那Cは言った。
「このことはAとDには言わないほうが良い。」
同意見だった。
「キャンセルの電話をこちらでするとカマをかけてみよう。」そう続けた。

Aに電話をし3日前になったからキャンセルの電話を入れる旨を伝えると、
案の定、「キャンセルの電話は俺がする!」と言ってきた。
僕は冷静を装いながら、3件あるから分担しようという案を出したが拒否をされた。
この日のやりとりで、AとDがBの失踪に絡んでいることがほぼ間違いないと睨んだ。

僕はAとDに状況を話して問いただそうと言ったが、Cはもう少しだけ時間が欲しいと言った。
どうやら個人的にAとDについて調べるつもりらしい。
僕はあまり気が乗らなかったが、Bについては本当に心配だったので大学にわけを話してBの実家の連絡先を聞くことにした。

冬季休暇中の大学は人が少なく、窓口にも誰一人並んでいなかった。
窓口の人に理由を話すと調べてくれたが、AもBもDも僕が通う大学には在籍していなかった。

Bは先の件で偽名の可能性があったが、大家さんから聞いた名前でも在籍がなかった。
もう3人の名前が本名なのかさえ信用できなかった。

215 本当にあった怖い名無し 2013/11/10(日) 01:15:01.31 ID:e4SlLL0S0
出発日だった日の前日にAから連絡が来た。
Bが戻ってきたと言うのだ。

その後、2週間振りに5人が揃った。
最初はAの家でと言われたが、そこには行ってはいけない気がした。
そのため、適当な理由をつけて街中のファミレスで落合うことにした。

ファミレスに現れたBはBではなかった。
Bに似ているわけでもなく、完全に別人だった。
正直、僕は冷静を保ててはいなかっただろうし、鳥肌が引かなかった。

見た目は普通の人間だが、その顔からは悍ましさ感じた。
僕とCはBじゃないと言い続けたが、AとDはBだと言う。
その間、Bと名乗る別人は僕とCのことを交互に見続けた。

聞いてもいないのに失踪の経緯を説明し始め、Bは今日まで泊り込みでバイトをしていたと言う。
そして、そのバイトは期間中に外部と連絡を取ってはいけない仕事だったと話していた。
事前によく説明を聞いてなかったため、そのまま連絡が取れなかったというのが言い分だった。

さらにBは続けて言った。
「明日からの旅行は行ける?」
Bの顔がさらに悍ましく見えた。

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