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高校生だった頃の話。
当時、俺はアパートで一人暮らしをしていた。
一人暮らしといっても、三食は母さんとこに帰ってご飯を食べた。
受験勉強のための勉強部屋といった感じです。
家が狭かったから、わざわざアパートを借りていたのね。
勉強部屋→飯→学校→部活→塾→飯→勉強部屋といった一日です。
勉強のし過ぎとプレッシャーで頭がおかしくなって、夜徘徊することが多くなった。
コンビニとかアダルトショップとかを覚えるようになる。
これじゃいけないと思い、じゃあランニングにしようと切り替えて
夜中一人でよく走ったんですよ。そうでもしないと神経が休まなかった。
しかし、それがまずかった。
隣町まで山を越えてトンネルをくぐったと姉に自慢したら、姉が険しい顔になり、
そこはどこなのかとしきりに聞いてきた。
387 本当にあった怖い名無し New! 2014/01/24(金) 22:25:52.91 ID:wudmPd7b0
あの県道通ってあそこ行ってと事細かく説明したら、
姉「そこは出る所で有名だよ。」
などと言う。オカルト好きの姉のことだから、と気にすることもなく俺のランニングは続く。
ある日いつものトンネルを抜けると、初めて反対側から歩いてくる人に会った。
その翌日も同じような人に会った。
体動かして楽しいから全く気にしていなかったんだけど、とうとう向こうから話しかけて来た。
オジサン「趣味ですか?」
俺「ええ!そうです。」
オジサン「ははは、同じです」
みたいな会話ともつかない、一言だけ交わした内容だったと思う。
その日を境に、よくそのオジサンと会うようになった。
オジサン「精が出ますねぇ?」
俺「いやいやw」
相変わらず、会釈するぐらいの関係。
388 本当にあった怖い名無し New! 2014/01/24(金) 22:26:50.87 ID:wudmPd7b0
何度か会ううちに、さすがにおかしいなと感じた。夜中だしね。
そう思い続けながら走っているといつものトンネルに着く。
オジサンもいた。会釈を終え、トンネルを潜り、下の道になると歩く。
いつもここで歩きながらクールダウンして、勉強部屋に帰っていた。
ただ今回はふと思い立ってしまい、まだ体力があるから山をもう一度登ってやろう!
と意気込んで逆走し始めたんだな。俺、高校生だったんだよ。
もちろん、トンネルをもう一度潜ることになる。
彼がいた。
トンネルの中にいた。
これは危ないぞ、と頭の中で信号が鳴ったが、ランニングってノッているときは
なかなか足を休めたくないんですよね。やり過ごすことに集中しようと意識した。
オジサン「今日は出ないと思いますよ」
俺「・・・?え?あ、そうですか。」
389 本当にあった怖い名無し New! 2014/01/24(金) 22:27:55.22 ID:wudmPd7b0
――、トンネルを抜けた頃合いで、その意味がわかってしまった。
振り向くと、オジサンはこちらに近づいて来たんだな。
全速力で帰ったよ。