洒落怖
先客

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うわっ、って思ったら、
背後に気配を感じたんだよね。
振り向いたらやばい、振り向いたらやばい。

いつもの気のせい戦法はもう通用しない状況だった。
振り向いたらやばい・・・。

どれくらい時間が過ぎたかわからないんだけど、
がらがらがらっ、って戸が開く音がした。
仲居のおねえさん、だった。

お客さん、どうやってこの温泉入ったんですか?
うちは0時で施錠しちゃうので、入れなかったと思うんですけど。
って不思議がってた。

それよりそんな若いおねえさんの前でまっぱでいることが恥ずかしくて、
お風呂から出られず、現場には遅刻。
二度とその旅館には泊まらない、と決めた。

あの黒い影、なんだったんだろう?

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