子どものころの怖い話
池の顔

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「もう一度、この池に行ってみよう。」
無論、すぐに心の準備が出来るものではない。
2、3日、皆で自分で決心すると、その池にもう一度行った。
登山中、口数少なく登っていく。
池につけば、解決する確信はなかった。
だが、解決しなかった場合にどうするか、という話題には誰も触れなかった。
そして問題の池。
前回の皆の行動を再現する。
だが、意識は、今写真では霊のいる地点に向いてしまう。
正直、かなり怖かった。
「そういやN、石投げなかったか?」
Kがふと思い出して言った。
「そういえば・・・。数回ハネて、向こうの岸に・・・。」
俺達は、その石を追って向こう岸に行くことにした。
向こう岸までは、道らしきものはない。
池の周りを、生い茂った草を掻き分けながら進んだ。
そして、普段人の来ることの無い側に来た。
原因は、ここにあった。
そこには、小さなお坊さんがたてられていた。
その前に、お供え物をするらしき場所があって、
そこに、Nの投げた石が丁度入っていた。
俺達は無言で、その石を取り出し、そっと地面に置いた。
そしてその仏像をハンカチで吹いて綺麗にすると、供え物をする場所に花を入れたんだ。
「これで、許して下さい・・・。」
Nがボソリと呟くのを聞き、俺もそう願った。

137 本当にあった怖い名無し 2008/06/27(金) 22:26:10 ID:NkrBeb170
そしてその下山中。
Nの水筒が見つかった。
長い期間放置されたにも関わらず、綺麗な状態だった。
そして、人目のつきそうな道の真ん中。
名前も間違いなく、Nのものだった。

そして、次の日。
Nが俺達に写真を見せてきた。
どうということはない、
只の、―――そう、心霊写真でもない、
仲の良さそうな中学2年生が映る写真だった。   
Fin

138 本当にあった怖い名無し 2008/06/27(金) 22:29:23 ID:NkrBeb170
これで終わり。
俺の小学生並の文章につき合ってくれてみんな有り難う。
この写真は、高校で離れ離れになったNが今でも持ってるよ。
今んとこみんな無事だし、もう大丈夫かな(笑

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池の顔