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268 赤ババア続き sage 2007/08/28(火) 17:20:09 ID:POn/DGo90
当時は時計なんて持っていなかったので、正確は時間は分からないが、
寺から既に1時間以上は歩き続けていたと思う。
隣の市に入ってからも随分経っており、既に周囲は俺達にとって
全く馴染みのない風景となっていた。
それからもう暫く歩いて、赤ババアは突然歩道から右折した。
そこは雑木林で、家とか建物は全く無い所だったので驚いた。
赤ババアは、歩道から雑木林の中の獣道のような道に入り、
林の中へと消えて行ったのである。
20m程離れていた俺達は、急いでその場所に駆け寄った。
その雑木林は、台地の斜面に位置しており、細い獣道が谷底に向かって続いて
いるのが確認できた。
探偵か刑事にでもなったかのように盛り上がっていた俺達は、迷わずその道を進んだ。
おっかなびっくり谷底に降り、雑木林を抜けるとそこは畑&植木畑になっていた。
獣道から続くように、植木畑の中に道が伸びているが、赤ババアの姿は既に見えなかった。
雑木林を抜けるのに、かなり慎重になっていたせいで、距離をとられてしまったらしい。
そうなると、そこかしこの植木の陰に、赤ババアが潜んでいるんじゃないかという気がし、
周囲に全く人気がないこともあって、なんだか急に心細くなってきたことを覚えている。
それでも恐る恐る歩を進めていると、遠くから、
「うぅぅぅうおうぅぅぅおうぅぅぅ~~~」
と、低い声で誰かが唸っているような音が聞こえてきた。
269 赤ババア続き sage 2007/08/28(火) 17:31:00 ID:POn/DGo90
時に長く、時に短く、その音は発せられていた。
余りの気色悪さに俺達は互いに顔を見合わせ、ここで引き返すかどうか相談した。
どうみてもこんな所に家があるようには思えなかったし、日も大分傾いてきていたので、
俺は正直帰りたかった。
そして何よりも、唸り声が気味悪かった。
しかし、Aは、
「ここ迄来たんだから、赤ババアの家を絶対突き止めてやる!」
とヤル気を見せていたし、Bも
「そうだよ、クラスのみんなに自慢してやろうぜ!」
とAに同調し出したので、2対1の多数決で、探査続行となってしまった。
今から思えば、ここで引き返していたら、あんな思いをする羽目にはならなかった筈だ。
276 赤ババア続き sage 2007/08/28(火) 18:49:47 ID:POn/DGo90
>>270
すまん、次から気をつける。
残りを一気に投下。
時折聞こえてくる唸り声にビビリつつも、再び歩を進めると
植木畑の中に、今歩いている道と交差する道が現れた。
ひとしきり左右を確認するが、赤ババアの姿は見えない。
このまま直進するか、右折するか、左折するか?
再び協議の末、唸り声が聞こえる右手の方に進んでみることになった。
確かに、怖いが、その正体を確かめてみたい気もしないではない。