子どものころの怖い話
信仰

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786 780 sage New! 2011/06/26(日) 20:31:58.60 ID:TXVIrBId0
高校も同じところに行った。
彼女との電車通学は本当に楽しかった。
彼女のおかげで俺は少しずつだが自分を取り戻せている気がした。
彼女がお母さんと住んでいるのは狭いアパートだったので、
勉強もゲームもキスも、だだっ広い俺の祖父の家でしていた。
ただ、毎週金曜日は彼女の家の宗教の集まりがあり会えなかった。
彼女は昔から、行きたくないけど行かないとお母さんに怒られる、と言っていた。

高校3年生になったある日の帰り道、彼女が青い顔をして
「大事な相談がある」
と言った。
俺たちは駅前の喫茶店に寄った。
「私、教団(横文字)をやめたいのに・・・大変なことになっちゃった・・・」
彼女はゆっくりと少し震えながら話し始めた。
彼女の話によると、教祖の世話係(特殊な名称)に選ばれてしまったらしい。
教団では名誉ある役目とのことだが、
要は教祖が信者の中から気に入った女性を選抜し、
18歳の誕生日に本部に出家させ、
1ヶ月間、厳しいと言われている修行をさせて身を清め、
その後は教祖のそばで身のまわりの世話をする役目だと言う。
聖人の世話係は穢れない女性に限られるらしい。
穢れない女性とは男性経験のない女性とのことだった

788 780 sage New! 2011/06/26(日) 20:34:02.80 ID:TXVIrBId0
それを聞いても実感がわかず、俺は少しだけ笑った。
「そんなこと、ほんとに? 
それに○○は教団が言うところの穢れある女性なんじゃない?」
俺と彼女はついこの間、自然な流れで初めて一線を越えてしまってもいた。
彼女は少し赤くなったが、真剣な顔で言った。
「笑い事じゃないんだって、ほんとなんだよ。お母さんも本気なんだよ。
○○君としたなんてわかったら、すっごい怒られるよ。どうしたらいい?」
「断れないの?」
「私・・・絶対、やだっ!て言ったんだけど、ダメだって・・・すごいお金も、もらえるって・・・
出家したら会えなくなるんだよ。来月、本部から迎えが来るんだって・・・
・・・私はいつか○○君のお嫁さんにしてほしいのに・・・」
泣きそうな声で言った彼女の言葉にドキドキとしてきて、
「そんなところに○○を行かせるわけないだろ。
俺は○○の為ならどんなことでもやれるんだよ。
何人で迎えに来るか知らないけど、絶対守ってやる。」
と俺も本気で言った。
彼女は嬉しそうに微笑んで頷いて俺の手を握った。

789 780 sage New! 2011/06/26(日) 20:36:52.87 ID:TXVIrBId0
どうすればいいか悩んだ末、俺は祖父に相談することにした。
祖父に俺は彼女との馴れ初めから初体験、彼女の生い立ちまで包み隠さず話し、
新興宗教のことも、分かっていることのすべてを話した。
祖父は口をへの字にまげ真剣に聞いてくれた。
「じいちゃんはいつかお前も両親の後を追って、
いなくなってしまうんじゃないかと怖かった。
今、お前が生きているのは全て彼女のお陰だ。
じいちゃんが全身全霊をかけて彼女のお母さんを説得してやる。
決裂したら彼女をかっさらってでもここに住まわせてやる。
そんで、どんな宗教か知らんが誰も家には入れん!」
と言ってくれた。

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  • 匿名 より:

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