子どものころの怖い話
手毬

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184 手毬1 2008/08/12(火) 20:31:19 ID:jgGw0m3c0
これは、話していいのかわからんけど・・・

もう数十年前になるんかな、中学生1年の時の夏の日
実家が近畿地方(詳しくはいえない)のとある田舎にあって
毎年、夏になると家族みんなでばあちゃん、じいちゃんに会いに帰省してた。

ばあちゃん、じいちゃんは俺を可愛がってくれて、俺が帰ってくると大好物のトマトに
砂糖かけたおやつをいつも用意してくれたのを今でも覚えている。
そして決まって近所の同い年の友達Hとその弟でいっしょに遊んでいた。
自由に野原で鬼ごっこや、雑木林でどんぐり集め、公園などで梅など採って遊んでいたが
一つだけ入ってはならない所があった。
それは雑木林のある程度抜けた先、周りを高い古めかしい壁に囲まれた敷地だった。
入ってはならないっと言っても中に入る門には錠前がかかっているから無理だ。
小さいころから田舎に帰ってくることに、ばあちゃんに
「あの場所に近づいたらあかんよ。子鬼様が居られるでな。罰があたるで」
と耳が痛くなるほどに聞かされたから、条件反射で怖くなって俺は近づこうとはしなかった。

小さいときから、その敷地は避けて3人で遊んでいたが、その日は少し違うかった。
Hが「なあなあ、あの中に入ってみーひんか」と敷地に指をさした。

188 手毬2 2008/08/12(火) 21:09:34 ID:jgGw0m3c0
俺はびっくりして「はぁ、あそこに入ったらあかんっておまえもいわれとるやろ」といった。
それをHは鼻で笑うようにこう言った。
「だいじょうぶやって、この辺はもうあきるほど遊んだし、知らんのはあそこだけや
うちのばあちゃんは、あの中に入ったら子鬼様に手毬にされるとか言ってるけどもう中学生やでw」
中学生になって、少し強気になるというか俺は子供じゃないみたいな感じはわかると思う。
「迷信、迷信、俺らを近づけたくないような、なんかすごいお宝とか隠されとるんちがうか?w」と笑いながら言った。
俺は尻込みして少し震えた声で「そんなやめようや、錠前もかかってるし」と言ったら
Hはすかさず「あんなの錆びてすぐ壊せる。おまえ、怖いんか?」と言い返してきた。
よくありがちなパターンだが、ここで引いては男が廃るみたいな気がして
「・・・・・分かったわ、門の前だけいったるさかいに、中はおまえだけ一人でいけよ、ええな!」と強めに言った。
その時、Hの弟は5歳くらいで人差し指を懸命にしゃぶっていた。

Hは咄嗟に近くにあった石を拾って錠前を壊し始めた。
ものすごく古い鉄の錠前で、錆びてどろどろになってたという表現が正しかったと思う。

190 手毬3 2008/08/12(火) 21:50:10 ID:jgGw0m3c0
俺も内心、ドキドキしていた。小さいときから眺めていた門。
いったい何があるのだろう、どうなっているのだろうとずっと思っていた。
恐怖心と好奇心がごちゃまぜになったような感覚で、Hが壊している錠前を目を見開いて見つめていた。

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